4, Apr, 2223, 12:52:11
去年母さんは僕に、新しい年になったらきっと良いことが起きるわ、と言った。
環境の変化が起きて心も成長して、前みたいにふさぎ込む様なことなんてなくなっちゃうわよ。
興味が有ることにはどんどん挑戦しなさい。
あなたはとてもあたまがいいんだもの、もっと自信を持って生きなさい。
僕はそれを聞きながら思わず笑い出したので
母さんも一緒になって笑っていた。
食事の後テーブルの脇で立ったまま、二人して全然違うことを理由に笑った。
母さんは僕のいない世界で僕からとても離れたところにいる。
それは今も変わっていない。
まあでもよかった。
僕にとって母さんはとても可哀想な人だから。
自分より先に子供が死んでしまう僕の可哀想な母さん。
16歳になったら死のうと思っていた。
理由なんて無かった。
だけど生きていく理由も無かった。
多分それが死にたい理由。
僕は毎日死ぬ方法をアカシックレコードで探した。
200年前には自殺する方法なんて沢山有った。
死亡率も病気で死ぬ人より圧倒的に多くて、年間に2万人も自殺者がいた。
病気や年老いて死ぬより自ら死を選ぶ人が多いなんて人間て本当におかしいの。
でもわかるよ。
辛い、苦しい、悲しい、惨めで醜い、救いようが無い。
死にたいよね。
どうせいつか死ぬんだから我慢する必要なんて無いよね。
シネ、死ね,シネ、死ね,死ね。
みんないつか死んじゃうんだから死にたい人は死んだらいいよ。
僕はそう思うな。
平均的に幸せな暮らしをしていて
何も悲しいことや辛いことが無い僕が死にたいって思うんだから、みんな死んじゃえばいいよ。
方法?
何が良い?
なんでも教えて上げるよ。
どんな風に死にたい?
誰にも迷惑をかけない方法がいいのかな?
それとも希望が有るとか?
いってよ。
遠慮しなくて良いよ。
何が知りたいの?
え?死にたいけど生きたい?
なにいってるの?
冗談でしょ?
え?
辛い?
なにが?
ねえ生きてて何が面白いの。
死にたくなる空、
青くて、青すぎて辛くなる。
その青さが僕に不可能を押し付ける。
もうやめて、もうやめて、もう、やめて。
もう、やめてよ。
もういいよ。
もうなにもいい。
太陽の灼熱の残酷さだけが本当の痛みの理由を知っていた。
だから僕は、真夏で外で灼熱に溶かされながら
あたまの上にある遠い太陽を見上げて叫んだんだ。
(2015 年 7 月 22 日午前 11 時 48 分、気温 36°C)
こんなせかい、もう、いやだ