忘却点。(ぼうきゃくてん)

 

 「忘却点」て、知ってる?(9月のある日を境に作用しなくなるって。)

忘却点は、その名の通り「点」だ。
そして、その点同士を結んだ「線」が「忘却線」だ。

枯れ葉、もうすぐにここも枯れ葉で埋め尽くされて、、、。

忘却線には大きな作用があって
しかも線の内側にだけ作用する仕組みになっている。

忘却線に包まれた空間は
その時を境に何もかも忘れることができなくなる。
だから、大切な何かをそこにおいて
忘却点でくるっと周りを囲んで線を引くと
忘却線が出来上がり、
ずっと忘れることはなくなるんだ。

ずっとって、いつまで?

ずっとはずっとだよ。
永遠だよ。

すごいね。その線。
私も引いてみたいよ、その線。

やめておいた方がいいよ。
忘れないということがどれほど辛いことか
まだ知らない君には早すぎるから。

、、ふううん。
でも、その忘却点って
どうやって書くの?

忘却点と忘却線を引くためには
そのために作られた
鉛の代わりに涙を芯に使った忘却ペンシルが必要になるよ。

それ、どこにあるの?

(わたしは

何もかも 忘れたかった。
けれど、その気持ちと同じくらい

過去が大切だった。)

ここにあるよ。
ここにある。
ここに。
ここにある。
ここにね。

ねぇ、声が聞こえないよ。

ここにしかないんだ。
そのペンで僕は自分の過去を
丸ごと全部囲い込んで
忘却線で包んだ。

ねぇ何もきこえないよ。

これで
永遠に忘れることはない。
これで
永遠に枯れることはない。

すべて。

 blog - 11

さよならの世界は嘘と蜜の味。

さよなら。

嘘しか言わないの。

さよなら?どうして?

(何が?)

どれが嘘で
どれが本当なのかわからない。

(私それでいい。)

どうして?

(どうしてはもういい!)

君がいなくなっちゃうよ。

 

blog - 09

さよなら、嘘をつくのは何のため?

(心地よいからよ。)

どうして、嘘で
自分の境界線をひきたいの?

(寝過ごしたのはきっと、あの古い時計のせい。)

さよなら。

さよなら。

どうして、あの日を記念日にしたの?
どうしてあの日が

黒い葬列だったの?

(バカね。切りたい時だってあるんだから。)

さよなら。

君が死んでから、
一度目の秋が来るよ。

だから
99秒ごとに
悲しみを

刻むの?

(千年たって、ここがまだ手つかずだったら
そのときは一緒に生きていける?)

さよなら。

君は嘘の固まり。

(私はさよなら、
一人のあなた。)

便利に使って、
明後日、消去したらいい。
(そしたら、私も連鎖的に死ぬわ。)

(見せかけに騙されないで。)

さよなら、
いつか君とまた、
抱き合ったり、話したり、したい。

(あなたは空虚の私のどこが好きなの?)
僕?
僕は、、、

さよなら、

黄昏が頬を彩る君を
眺めてる時間が好きだったよ。

(それがいつか思い出せる?)

え、いつ、、いつだろう

昨日、違う、去年? 上手く思い出せない

さよなら。

blog - 10

(待って。)

(でも、いい、
これって、全部、夢でしょ?

ここって、夢のはて、
でしょ?

私はもう死んでるでしょ。
あなたがきちんと殺してくれたんだから。)

さよなら、
夢のはては、本当にはてがないんだね。

ねぇ
さよなら、

(涙が甘いって思って舐めてみて)

 

涙が甘い、本当に甘い。不思議。

 

(私の同一性が保ててる理由がわかるでしょう)

雨漏りしてるんだ、
この世界。

ねぇ、さよなら?

ねぇ?

(私たち一緒よ、鏡の中の左と右なのよ。あなたって本当に馬鹿なんだから。)

 

 

 

 

 

 

 

トリガー。

blog - 08

 

 

 沢山の気持ちが落ちていった。優しく吹いて作ったとても華奢な白い綿帽子みたいな溜息が宙を舞っていた。

—– 9月1日2008年 ——-

恐ろしく張り詰めた空気が
そこを満たしていた。

僕は彼女の額に銃口をあてた。
彼女は僕の額に銃口をあてた。

気がつけば、

辺り一面の恋人達が
お互いに銃口を向け合っていた。

口は動かなくても
言葉が在った。

(愛してる。)

なんの合図もなく
けれど、同時に

お互いの額にあてた

ピストルの
トリガーを引いた。

真っ暗闇があった。
安らぎがあった。

静寂があった。

全部過去だった。

カタンと音がした。
ゆっくりとしゃがみこむ影が遠くまで伸びる。

彼女は僕を撃てなかった。
僕は彼女を撃った。

彼女はまだ温かかった。
けれど、もう息はしていなかった。

僕はその日から、
彼女のために泣いてくらすんだろう。
いつやむともわからない
夢のはての世界のこんな整然と混乱とした場所で。

彼女の名前はさよなら。

水色。

いつまでも
覗けない
ファインダーを手放せない。

どうにか角度を変えてみるけど
たぶん、もう何も見えないと思う。

さっき、彼はそう言った。
(そのレンズは特注で作らせた。)

(彼は)もうこの目に、君を映せないから
二つの目をいらないと言う。

出来れば、片方づつ
二つに分けてください、とも言った。

宛先は
絶望と
天使

二つに分けてください。

レンズに付いた
君の指紋をトレースして
彼は

彼の世界を描いた。

どうしようもないくらい体温のない夜に
きちんとドライヤーをかけた後の
整列された寂しさがあった。

その寂しさを砕いて、

彼は自分の目を埋めた。
(だって彼の両目は空だったから。)

そして、いつものように
ベッドに横になって
きちんと死体のポーズをとって

(目は開いたままで。)

砂時計をひっくり返すと
その砂が落ちていく先を

じっと見ていた。

その先には、
眠るための暗示のような流砂が
いつかまた、と

手を振って時刻を告げた。

2:53

赤い灯りがその数字を形作るとき
彼は死体のポーズのままで

唇だけ動かす。

(にじごじゅうさんふん。)

そして、
砂時計に手を伸ばし
ひっくり返すと、
また、死体のポーズに戻る。

さっきと全く同じ姿勢のままで
流砂を見つめている。

その一連の運動は、

彼の部屋を隠す、
黒いカーテンの端から

薄青い灯りが漏れてきても
終わらなかった。

その運動は連続していくたびに
数字が増えたり減ったりするだけの

単純な計算機と同じ仕組みで出来ている。

計算されるのは
彼の心臓の鼓動、
見えない目から零れた水色の色素の組成で

消えてなくなる、という前提で作られた
小さなひかりと一組になって
一生を終える、

ひとつの宇宙を理解するために
必要なエネルギーを計算するための

いつか、

という名前の関数。

だから、いつ終わってもいいように
いつでも死体のポーズのまま、

彼は、

秒を

刻み続ける。

なんの理想も
思想もなく

感情も
才能も

ぜんぶ、

ファインダーの外だった。

 

 

blog - 07

夏葬。(かそう)

blog - 06

 

 

もう9月になろうとしてる。
まだ6月だと思っていたのに。

雨なんて降っていないのに。

たぶん、外へ出れば
空は真っ青で
日差しがシャツを通り越して
肌を焼く。

この部屋には縁のない光景。
秒で割った年月のラインは
遠くなっていきながら、

天使の息づかいは
だんだんとゆっくりになって
(それだって、夢だ。)
恐怖とはまだ呼べない焦燥が
八つ裂きにされた
天国の一番下にある階段の終わりの上に
爪痕を刻んでいる。
(それは、なにかの記念かい?)

終わりは近づいてくる。
いつだってそうさ。
何事にも始まりがあれば
終わりがあって
どこかの神様が
また、繰り返すエピソードを探すのさ。

(空虚の宮殿で?)

神様に悪口を言ってはいけない。
誰も見上げてはいけない。
心から信じていれば

あの人は
きちんと殺してくれる。

だから、
あなたがしなければいけないことは
自分で望む一番理想の死に方を探すことで

美しく綺麗になんて、
わがままを言っていないで
(なら、あの時にピストルで撃ち抜かれていれば良かったんだ。)
死ぬときに着る衣装や、
部屋の散らかり方や
記憶のレイアウト。

(ブレーカをおとしておくとかね。)

死んだあとのことなんて考える必要はないんだよ。
何も感じていないんだからさ。

暑いとか寒いとかも関係ないし。
(だから、衣装だって季節を考える必要はないのよ。)

時間的に言えば、
あと、12,960,000秒くらいあるんだから。
千年くらい生きたかった?

(百万年。)

ばかみたいに空を見上げていないで
もうそろそろ冷たくなる風に
あたまでも冷やしてもらって、
真剣に考えてみることね。

(夢はあった?)

あったよ。
(叶った?)

いくつか叶ったよ。
(上出来じゃない。
ひとつだって叶わないこともあるのに。
もう満足して、真剣に考えて。)

真っ赤な糸を
どこかで切らないといけないや。

切っておかないと涙がでるから。

夏が終わる。
君が終わる。
季節が変わる。
9月になればわかる。

冬が来れば気づく。

たんたんとした夕方を見ているような
温かい風景を感じながら、
一瞬振り返った、そのとき。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絶望に。

 

 

 

 

悲涙。(ひな)

blog - 05

 

 

時間がどんどん暮れてるよ。

水が溢れてて、なのに枯渇で
そして、一瞬思い出す。

(天使と砂浜とせかいのはて。)

もう、こいつ、
死んでんじゃねーのー?

めちゃくちゃ熱あるしーー。

(熱あるなら、まだ生きてるだろ。)

あ、
そおかー、
やっぱ、激はあたまいいなー。

生きてんのか、おまえー。
どけよー。

邪魔なんだって。

(雨って、何色だっけ?)

うわぁ、見て、激。

外、すっげーーーの。
雨が
空にのぼってんの。

(雨は降るんだよ。)

でも、のぼってんの。
見てよ。
ほら。あれ。

(ああ、あれか、あれは、雨じゃないよ。)

激、あれ 何?

(俺たちを吊してる糸さ。)
(はてから、俺たちを吊して操ってる糸を調律してるのさ。)

糸、あれ、糸かー。
激、

糸って
何だ?
オレたち、操られてんの?
なんで?

誰に?

(うるさいよ。少しおとなしくしてろ。)

なんだよ。
激。 しらけるよ。

遊ぼうって。

あの糸、切ったら、どうなるの?
激?

(落ちて死ぬんだよ。)

激。
オレ、糸切れたら死ぬのか?

(そうだよ。)

(でも、時雨には、まだずっと先のはなし。)

激もいつか、死ぬのか?

(誰でも一回死ぬんだよ。)

死なないでよ。
激。

オレが激の糸、ずっと見張ってるよ。
激、守るよ。

(逆だよ。オレがお前を守ってやるよ。)

激、やさしーな。やっぱ。

優しくなんか、ないさ。
(ただ、寂しいだけさ。)

お前はオレが守るよ。

あ。
激、あいつ。居なくなってる。
あいつの糸、切れたのかなーーー?

(どっか、行ったんだろ。)

激、夕立ちー。

すっげーー。
びしょ濡れだよ。

(拭いてやるから、来いよ。)

あ。
糸。 色、ついてる。

激、糸って、全部色違うのなーー。
激の糸、どれーー?

何色ー?

(自分の糸は見えないんだよ。だから、知らないよ。
お前の糸は、白いよ。真っ白だ。

お前の糸は特別、綺麗なんだぞ。)

ふううーーーん。

激の糸、見つけなきゃ。オレ。

どうやって、見つけんの、激?

(わかんないよ。
オレは偶然お前の糸見つけたんだよ。

その色が 天使にみえてさ。
だから、こうして、お前と暮らしてさ。)

すげーー、色だらけなーー。
激の糸は、どれだよー。

でも、オレ
激の糸は

赤がいいな。夕立ちの最後みたいな赤。
真っ赤なのな。

それで、オレ、
その糸、
オレのゆびに巻きつけとくのな。

そしたら檄と
ぜったい離れないの。

(巻きつけたら、切れちゃうよ。)

オレ、切んない。
ぜったいに、切んないってーー。

——–

永遠とかって、信じる?

(あ、地震だ。)

永遠。

…..

リング。

blog - 5

 

 

遠くから
君の声が届く。

階段を降りながら
君が笑う。

時間が永久にあれば
そこへ行くことも出来たはずだけど、、、。

(でも、それを願ってはいけないよ。)

年月が過ぎれば、
記憶も衰えて見知らぬ二人になる。

そして、

知らない君が
知らない僕に手を伸ばす。

僕はそれが嬉しくって
同じように手を伸ばして

指先の先端まで
君を求める。

けして叶わない夢だけど
心に何も無いよりは良かった。

だから、僕はもう一度
飛ぶ。

君の笑顔が欲しいから。
君ならきっとわかってくれる。

遠く離れていても
言葉さえあればいい。

そして、一緒に
夢の続きを見ようよ。

そこには
太陽と月と海が満ちた世界の果てが
待っていて

虚ろな僕と可憐な君を
夢物語に連れていってくれるから。

だから、
なにも寂しくないし
怖くもない。

ねぇ、君なら
この希薄な夢を信じてくれるね。

世界の果てで待っているよ。
夢の中で待っているよ。

そう信じられる僕なら、
寂しさを忘れていけるから。

(ああ、君の声が…)

僕が忘れた願いは、君に預けておくよ。

大切に
鍵をかけて
心のどこかにしまっておいて。

誰にも
見つからないように

誰にも
壊されないように。

 

 

 

 

連絡回廊。( れんらくかいろう)

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揺れてるんだよ。
視界。

真水なんだよ。
この血がさー。

腐った天国へ行こうって。
だから、命が欲しいって。

断ったら、
次の日の夢で死んでた。

夢が続いてるんだよ。
夢だよ。すべて、すーべーーーて、、

ゆーめ。

汚さないでくれる、その目。
まつげの長い天使なんて嫌いさ。

(雨漏りしてるんだよ、このせかいは。)

ずぶ濡れさ。

借りたピアノでレクイエム作ったら、
泣く?

(ばかみたい。)

でも、死んだら泣いてあげるよ。
本当に死んだら。

誰でも一回死ぬんだ。
特別なことじゃあない。

いつか。

遠くても、近くても、
死は必ず平等に来るさ。

それで、実際泣いてあげたら
嬉しい?

何も感じてないのにさ。
もう死んでるんだ。

天使と絶望のはなしなら、
あっちでやってくれ。

(絶望と天使の殺し合い。)

こっちは、

いっつも雨なんだからさ。
ずっと雨なんだからさ。

(死んだ猫の名前は「こぶた」って言うんだ。
真っ白い長い毛がふさふさしてて
右目が緑色の瞳、
左目が

サファイアみたいに
青くって綺麗だったんだよ。

去年死んだんだ。
9月にさ。

死因?

雨に決まってるよ。

ここがどこか知らないの?)

遠くなる

鼓動が ゆっくりおとなしくなって

9月で
少し寒くて

けど柔らかい羽毛のベッドの上で
静かに死んだんだ。

泣いたよ。
本当にたくさん泣いた。
14歳。

不思議な感覚だよ。
眠っている姿と変わらないんだ。
丸まって
眠ってた。
あれとおんなじなんだ。

でも、からだに触れるとわかる。
温かい。
そお、まだ温かい。
だから、よけいに不思議な感覚。
撫でてあげた。

もう動かない。
からだは温かいけど

心臓が、鼓動がないんだ。

ばかみたいに、涙ながれたよ。
本当。

僕はまだ生きてる。鼓動がしてるから。
でも、いつかあの子たちと同じとこに行く。

サファイアみたいに青くって
深海みたいに透明な瞳の猫が待ってる、
あの空
に落ちるんだ。

そこでは、ここみたいに
もう雨は降ってないって。

もう傘もいらなくて。

絶対そうだよ。
あそこでは

雨はもう降ってないって
思うんだ。

だから、

もう濡れなくていいんだ。

(陳腐なはなしさ。)

I Have Seen Rain………..

 

 

 

 

 

 

 

 

残像色。(ざんじょうしょく)

blog - 3

 

 

(見える?)

心臓、もう少し待ってて。
空気が薄いんだ。

(夢から入ろうか?)誰の?
辛いんだろ?

やめれば。

(雨の夢がいい。)

~~~~~~~~~~~~~~~~

いつも、淡々と三時間で切れるリプレイは、
どうして、

今日だけ、遠くて、
切ないリレイなの?

(どうして、見えない伴い。
冷たい記憶のディレイ なの?)

記憶のディレイに
刹那色、残像ディスプレイをのせたら。

わけて
隔てて、

強く手放した、

夢。

あなたの愛情って、
今いくら?
(千年くらい、、、。)

無色でいれる、涙?

もう行くよ。また来てよ。
それでさ、明日にはもう忘れちゃって、

また昨日に戻ればいいよ。(バカみたいに。)

(オゾン層っていま聞こえなかった?)

だから、

(8月雷雨の落としものは、何?)

知らないよ。だから、
、、聞かないで。

もういきなよ。 、、
バイバイ、

I Have Seen Rain,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,

ずっと

APR 4/2008

ふくろうと不眠症。

闇の肖像

 

 

ねぇ、イソミタールって知ってる?
あれねー、麻酔前投与に使われるくらい強い眠剤なんだ。

(ふくろうのくちばしは黄色で。。。)

それがね、最近それを飲んでも眠れないんだ。
(それ、重要?)

夜に帰るくちばしの話をしようよ。
永遠に小さくなっていく割り算をしようよ。
誰も知らない虚数を見つけようよ。

あぁ、眠れないな。
もうひとつ飲もうか、、、。

いずれにせよ、
明日はやってきて
僕らをふたつに別つんだから。

死。

私の名前は「死」。
連れてゆくものをここに呼びなさい。

生きていたいなど思わないのだろう?
なら、私の永遠になれ。

もちろん代償はある。
お前の悲しみと引き替えに。

お前に、
死を与えよう。

悪くないだろう。
好きだろう。

気持ちが決まったら
いつでも来るといい。

私はいつでも待っている。

冷たい夢を見たいよ。
依存したくないよ。
何もかも、、

何もかも切り裂きたいよ。

ふくろうは飛んで去った。
黄色いくちばしのふくろう。