死にたがりの少女が夢見る綺麗な死に方

4th/November/2006/02:20
死の前日。

語りの死の前日。
語りは砂浜を歩きながら、
たとえ僕が死んでも
僕はいつまでもこの景色が好きだ、と言った。
それは、永久にかわらない、と。

夕焼けも見る事のない淡々とした一日がすぎた。
そして、語りは本当に次の日に死んだ。
永遠の自由と思い出を手に入れて。
僕はその日を忘れる事ができない。
いまも、語りの声が聞こえる。

語りは、何を求めてもいなかった。
ただ、自由だけを求めていたんだと思う。
それを、語りのやり方で実践しただけだ。

語りに会いたい。
僕はいまでも語りに会いたい。

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31st/January/2015/21:09

この世界には死にたがりの少女が夢見る綺麗な死に方を丁寧に記した書物があるという。
しかし内容が真実に安らかに綺麗に死ぬ方法が詳細に記載されているため発禁処分になったらしい。
今では名前さえ聞かなくなった実在したのかさえわからない幻の書物だ。
インターネットオークションでその偽物が高額に取引されて一時期話題になった。
それが最近になってその書物のコピーがA-fileと言う名でインターネットにあるらしいと一部の少女達の間で話題になった。
しかし残念ながらファイルの名称がA-fileと言う無属性状の名称のせいで誤情報が相次ぎ真実のA-fileを目にしたものはいなかった。
世界にはA-fileという名前のファイルは何千とありその中から真実のA-fileを見つけることは誰にも出来なかったのだ。
さて、ここに一台のコンピュータがある。
今では珍しいインターネットに接続されていないコンピュータだ。
デスクトップに表示されているPDFファイルの名前はA-file。
これこそが真実のA-fileだ。
けれど内容は噂とは大きく異なる。
このファイルはある少女の数年間分の日記をオリジナルに忠実に再現したものであり自殺の指南書ではない。
最初から死にたがりの少女のための自殺の指南書など存在しなかったのだ。
日記には少女が悲しみと葛藤を乗り越えて懸命に生きていく様子が詳細に描かれている。
A-fileの最後のページにこうある。
「私は死んだから、もう死ななくていい、新しく生きる。
私は死なない。」

僕がいつか本当に、死にたがりの少女が夢見る綺麗な死に方、という本を出版したらきみは読んでくれるだろうか。

blog_5 - 137

幻想と真実のマテリアル。

9th/November/2006/15:31
見えないものを欲しがる男。

階段を降りて行く男
それを見ている見えないもの
回転の止まらない男
それを見ている見えないもの

未来でも過去でも夢でもない嘘をつく
ミクニ

聖歌を口ずさみながら
首をはねていく
そのリズムはワルツ

見えないものが欲しいと
階段を降りて行った男は
砂時計に出会う
(そういうのデタラメっていうんだよ)
砂時計は砂が落ちきっていて
秒を刻まない
それを見て動きを止めた
ずっと動かないまま

回転の止まらない男は目を回しながら
不毛な唄を唄う

見えないものが欲しいと唄う
けれど見えないものは
見えないままだ

けれど見つめている
目に見えないものは彼らを見つめている
(憎みながら…でしょ)

ああそうだよ
僕は憎い
彼らのやましい魂が憎くてたまらない

いくら望んでも
見えない僕を見ようと必死になって
降りたり回ったり
止まったり
首をはねたり夢見たり
そういうのがあたりまえのように
彼らには(鈍いんだ)デリカシーがない

全員死ねばいい
いまから僕が殺してもいい
(それは違反です)
知らないよ
彼らを砂の城に閉じ込めたら
気が済むかな

あなたも気が狂っているみたいだわ

僕は最終的に幻想になるからね
いいんだ
これで

…プツン

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30th/January/2015/17:26

幻想と真実のマテリアルを追い続けて世界の果てまで行って、
何も見つけられず、
そんなものがあった証拠さえ掴めずに、
留まることしか出来なくなった彼が再び世界へ帰るとしたらそれは、
近未来のコミュニケーションデバイスが高度に発達した超メトロポリタンシティ。
そこで彼が求めるのはありとあらゆる情報。
個人情報、企業の財務情報、国家の特務情報、価値の有る無しに関わらず
ありとあらゆる情報を彼はこの世界を支配するために駆使する。
世界を混沌から救うためではなく、
純粋に私利私欲のためにこの世界を支配する。
しかし、それは最終的に世界人口66億人を救うことになる。
そう妄想している。
けれどそうなる前に人格が破綻する程の情報を詰め込まれた彼の海馬は壊死し
彼の意識は止まることになる。
これが彼の最期。
何ともつまらない結末で非常に残念だ。
だから変更する。
情報を備蓄する役割を海馬の代わりにナノテクノロジーユニットメモリーに変更すればどうだろう。
ナノテクノロジーユニットで作られたDNAよりも小さなスパイラル構造の軸索にレーザーで情報を刻んでいく。
それを手首に繋がれたブレスレット型ユニットにありったけ詰め込み、
皮膚との浸透圧の勾配で出来る電子の流れをコンピュータで制御し情報を伝達する。
外部記憶デバイスをユニット化することで情報の選択と持ち運びが簡単に出来るようになる。
インターネットに繋げることで最新の情報と情報の検索を可能にする。
30th/January/2115/18:19

ふう、さて、どうしようかな。
世界は広い。
まず、どこへ行こうか。

blog_5 - 136

永遠のこと、少しだけ。

10th/November/2006/15:30
線になる男。

さっきから僕は線になって
普通なら誰も入ることのできない
狭さの中にいる。
その狭さは時間も空虚も空白だ。
(彼はなにを言っているの?)
(しっ! 彼は真実を語ろうとしているんだから)
空虚で細くて
でも信じて
ゆるやかな欠乏症にかかってしまったようですね。
きっと彼は細い線になりますよ。
よい線です。
先生、空白でもメールがうけとれますか?

空白には手紙さえ届きません。
では、どうやって彼と話すのですか?
(何代目かの夢の島から空虚の風がふいてくる。)
言葉は狭さの中で
とくに稀薄になる。
目には見えないし、すべてが忘却ですから
誰もそこにはいません。
灯りがもれてくるのは一本の線の反射です。

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29th/January/2015/18:18

僕のことを少し話そう。
長い昔のこと。

花を摘んでいる少女を遠目から眺めている永遠がいた。
少女は小さい花を一生懸命に集めて輪を作り首飾りを作って、
兄さま、はい、と永遠に渡した。
永遠は、少女のあたまを優しく撫でながら、有り難う、と言った。
そして、おいで、と言って少女を座らせて後ろから抱き寄せた。
さよならは何色の花が好き、と聞くと
さよならは花は全部好き、と振り向いて笑顔を作った。
永遠は少し遠い目でさよならを見つめながら、じゃあ、この花畑の花を全部さよならにあげるよ、と言うと
さよならが、えええー、このお花畑は全部姉様のものだよー、と驚いて言った。
それでもいいからさよならに全部あげる、姉様には内緒でね。と永遠が、、言う。

少女の名前はさよなら、
さよならは永遠の大切な人の妹。
永遠の大切な人は数年前に自殺した。
永遠はそれを目の前で見ていた。
永遠は今もそのときの夢を見る。
さよならもあれから大きくなって少し姉に似てきた。
そのさよならを抱きしめて永遠は涙を零した。

永遠、泣かないで、
私、ここにいるよ、泣かないで、
私、ここにいるよ、

さよならが振り向いて、兄さま、涙、とハンカチで拭いてくれた。

永遠の回想が終わると
さよならが隣に寝ていた。

blog_5 - 135

永遠に続く悲しみは永遠(とわ)。

22nd/November/2006/08:32
チョコレート。

次に名前をつけたのはチョコレート。

全然甘くない。
だけど似合ってる。

その細い線にゆっくり風を送る。
揺れる糸が愛しい。

(あれは自分自身の神経だから。)

クスリを送った。
大量に。

D2レセプターを壊したかった。

糸を切りたかった。
寒い冬が待てなかった。
夢やクリスマスが憎かった。

それで羊を数えた。
何頭もいた。

ゆっくり憂鬱に数えながら一頭ずつ
ちゃんと殺した。

血にまみれた。

それは現実ではなかったけど
夢でもなかった。

自分自身と細い糸のスパイラルにいた。
もうそこでは生きていけないと知っている。

だから途方にくれて
でも笑う。

願いは確か、叶ってる。

それは優しい温度のせいで
本当ではない。

それでも良かった。
      なにもないよりは。

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28th/January/2015/17:31

ka na shi mi
悲しみ

とタイプしてWikipediaを開いた。
意味は、とスプーンを口にくわえながら永遠は読んだ。

悲しみ(かなしみ、英: sadness)は負の感情表現のひとつ。脱力感、失望感や挫折感を伴い、胸が締め付けられるといった身体的感覚と共に、涙がでる、表情が強張る、意欲・行動力・運動力の低下などが観察される。さらに涙を流しながら言葉にならない声を発する「泣く」という行動が表れる。

読み終わると、ふううん、そうなんだー。とページを閉じた。
悲しみって凄い感情なんだなー。
しかも負の感情なんてどうしてこんな辛そうな機能を持ってるんだろー。
不思議だなー、人って。
バッカみたい、とケラケラとさよならに笑われて永遠がむくれ口調でさよならに絡む。

なんだよー、自分だって同じなくせに笑うなよー。
だってーと笑いながら、私だって悲しみくらい知ってたよ。
本当に知らなかったの、バッカみたい。
うるさいなーきみは、もうーこっちくんなよー。
そお、ふうん、じゃあねー。おばかさん。
なんだよー、もー、むかつくなー。

さよならと入れ違いに姉様が来て、
お前、悲しみも知らなかったのか、と永遠に聞いた。
永遠は顔を赤くして、はい、と小さな声で言った。
女王は永遠に優しくおいでと言って膝枕する。
女王様は悲しみって理解できますか、と永遠が言う。

悲しむことくらい誰にでも出来る。
ただし、同じ悲しみに留まっていることは出来ない。
悲しみはいつか劣化して消失してしまう性質があるからだ。
私たちは人のようにすぐに悲しむことは出来ないけれど
一定量を越えた悲しみは悲しみとして機能させることが出来る。
ただし私たちの場合の悲しみは惨いぞ。
人の悲しみのように時間を経ても劣化などしない。
永遠に悲しみ続けることになる。
そんな気持ちを持ち続けることがどんなに辛いことか。
悲しみなんて必要の無い機能だと私も思うが
実際の私の中には既に悲しみがある。
もう千年になるか。
千年も同じ人の消失を悲しみ続けると云うことの本当の辛さは当人にしかわかるまい。
けれどな悲しみは辛さだけではない。
大切な記憶に記しを付けてくれていつでも思い出せるようにしてくれる。
私はそのおかげであれを忘れないでいられる。
それは懐かしみを鑑賞すること、大切な私の記憶再生装置だ。
辛さ以上の価値があると私は思っている。
人であればいずれ忘れてしまうことも
私たちは忘れることは無い。
だから、お前の名前は、永遠(とわ)なのだぞ。
永遠は話しを聞きながら涙を流していた。

あれ、
どうして、
僕、
泣いてる。

これが、
悲しみ。
悲しみって痛い。
胸が締め付けられる感覚、冷たい気持ちがする。
きみ、
誰、
あ、

想い出した、
きみ、
忘れてない、
声も、
顔も、
指も、
手首の傷も、
また会えたね、
どこにいたの、
もうずっと、
もうずっと、
忘れないよ、
永遠に、

永遠に、
きみを、
悲しみ続ける、

(やっと来てくれたね
有り難う、永遠。嬉しいよ、私。本当に嬉しいよ。)

blog_5 - 134

語りと天使と夢の話し。

28th/November/2006/08:41
井戸の中へ(語りからの手紙)

今日、気付いてしまった。
だから僕はもう一度
自分自身の底へ降りていかなければいけない。
いままでの方法では
降りていけないから、まず方法を探さないと。
どこまでも続く井戸の深さを考えると
本当にそこに欲しいものがあるのか疑問に思える。
本当に欲しいもの。
特別ななにか。
もう外の世界にもあきてしまったし
あると信じていたものも
結局幻だった。
どんどん深くへ降りていこう。
見つかるまで。
特別な力がそこにあると信じて。
語りの手紙はそこで終わっていた。

語りはいなくなった。

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27th/January/2015/18:09

今日見た夢のはなし。
僕が大切なものを失うことで誰かが大切なものを得る。
それはとても悲しいけれどとても純粋な好循環。
こんな歪んだ世界観が僕の中に普通にある。
それを憐れむ必要も無いし文句を言われる筋合いも無い。
だから黙ってて。
これはただのおとぎ話だから。
僕が悲しめば誰かが笑ってくれる。
僕はそれでもいいよ、と思う。
それできみが幸せなら僕から沢山奪ってもっともっと幸せになって欲しい。
そうだ僕が願うのは誰かがじゃなくて、きみが幸せになること。
僕はいつまでも願い続け、失い続け、最期に何も無くなっても別にいいよ。
誰か見知らぬ人の幸せを願うよりもよく知ったきみの幸せを願う。
これって普通によくあることじゃないか。
きみのために祈り続け此の身が灰になったとしても僕は惜しくないよ。
だって僕はきみが笑っていることを想像するだけで幸せになれるから。
何もかも失ってもその幸せだけはなくならない。
そんな幸せがこの世界に一つくらいあってもいいよね。
だから、僕はきみのためにずっと何かを失い続ける。
この先の悲しみは全部僕が引き受けるから
きみはきみの世界で一番幸せになれ。
僕はいつかきみを描いたきみの物語をきみにだけわかる魔法で伝えよう。
その約束を僕は崖の上でする。
約束を言葉にして声に出して言い終わったら飛び降りるんだ。
落ちていきながらがら僕は最期に叫ぶ。

僕の世界を全部上げるよー。
きこえたー。
ぜんぶぜーんぶあげるー。
だから笑ってねー。

blog_5 - 133

シャッターハート。

2nd/December/2006/15:14
本当の闇になった。

始まりは点から、
その点が自由に動き回り曲線を作る。

曲線は交わろうとしないから
どこまでも拡がっていく。

憂鬱に似た閉じない巨大な螺旋を作る。

そのレコードのような、細かな隙間に
僕は滑っていく。

それは記録するための儀式。

記録するための演技が始まった。
もう完結しよう。

螺旋に言う。

螺旋は螺旋のまま、
さらに拡がって音階に変わっていく。

悲しみのCからAに狭まって
やっと止まる。

ひとつの記憶のために
惑星くらいの大きな螺旋が必要になってしまった。

たまる螺旋。
      たまる記憶。
               たまる完結。

語りがその螺旋を降りて行く。

そして、螺旋はどこまでも、くだり、
どこまでも、闇に包まれて

語りは闇に包まれて、
本当の闇になった。

//////////

26th/January/2015/18:16

光が向かってくる。
眩しくて目を閉じる。
光がどんどん近くなる。
眩しくて目を開けていられない。
一瞬のあと光が消え闇へ
闇のあとに柔らかな光が射す。
思い出した。
海だ。
海へ向かって走っていた。
日は上がり夏で暑くて眩しい。
考えることも面倒なくらい暑い日。
あの日私は海へ向かって走っていた。
海に着くと日は落ちてオレンジ色の空が海を覆っていた。

私はどうして
一人で
海へ
行ったのか。
思い出せない。
それでも
あの海は
特別で
大切な記憶だ。
あの海の色を忘れない。
あの日の海を忘れない。
私はいつでも
思い出せるように
目の奥でシャッターを切って
網膜に貼付けた。

あの日
あの夏の日
考えることも面倒なくらい暑い日。
私は海へ走っていた。
私が海へ着いたときの
海の色はオレンジで
とても綺麗だった。
(カシャ。)

blog_5 - 132

ゆ、うつつ、になれ、メランコリー。

4th/December/2006/06:20
ゆ、うつつ、になれ。

憂鬱。
ゆううつになれ。

それで?

退屈まぎれになった?
それとも、あれを知らないのかい?

くだらないね。

広い景色の中の端っこの
小さな点さ。

ゆううつなんて。

じゃあ、退屈はまぎれないね。

(まぎれない。)

音楽だけが増えていく。
(違う。ただ待っているだけだ。)

広い景色の小さな点が、大きな螺旋を描いていく、

(その光景を、)
その眩しさを待っているだけなのさ。

彼が言うにはね。

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25th/January/2015/18:44

僕はうつつであれと願いながらうつつになれず、
陽炎になってもきみのもとへ行けない。
幻の僕は誰に見えるのだろうか。
(誰にも見えないよ。)
僕は悲しみについてよく書くけれど
実際の僕は悲しいとか寂しいとかその手の感情はなくて
寧ろ、安定した抑うつがあるだけ。
僕が死にたいのはそんな感情論ではなくて
もっと緻密に構築された分析論ではじき出された理由によるものだ。
そんなもの誰も興味ないものだから書きはしないけれど。
19時ちょうどに死にたくなって僕は考え始める。
これをどれくらい飲んだら死ねるだろうか。
実際にマイクロスケールで1ミリグラムを正確に計ってそれを水溶性のカプセルに入れた。
そのカプセルを睨みながら僕は止まったまま時間は過ぎて、諦めてそれをピルケースにしまう。
ピルケースのカプセルはこれで6個になった。
6回死ねる。
僕は鏡の中で笑っている僕の目を指でついた。
痛いな、と虚ろが言った。
また死ねなかったね、兄さま、とまた虚ろが言った。
五月蝿い、と僕が言って、、、涙が零れていた。
泣いている。
僕が泣いているの。
誰の涙。
僕はバスルームで顔を洗って涙がわからないようにしてから
ピルケースからカプセルを一つ出して眺めていた。
眺めているとしばらくしてまた涙が零れた。
泣きながらカプセルを口にくわえる。
しばらく口にくわえながらカプセルが溶けて唇に張り付く頃、結局ピルケースに戻した。
もう何がどうなってもいいと思っているのに
どうしても飲むことが出来なかった。
涙は止まらなかった。
もう誰も見ていないし気にしなかった。
好きなだけ泣いた。
泣きながら眠剤を飲んだ。
そして暫くして眠りについた。
今日も生き延びた。
悲しいって云うのはこういう感情に似ているんだろう。
僕はそれを悲しいとは言わないで悔しいと言う。
死ねない体でうつつになれず、
幻でさえない。
誰にも見えないのに着飾ってバカみたい。
明日は死ねたらいいな、朝方にそんな夢をみた。

blog_5 - 131

世界の果ては波の音、そして永遠のこと。

5th/December/2006/22:19
恵まれない闇。

せかいのはてで波の音を聴いている。
ガールフレンドは闇。

その闇と話す。
せかいのことを。

嵐がやってくるのはせかいのことで
ここには絵葉書のような青空と白い波があるだけ。

遠くに見えるミクニの目から
せかいは線のように細かな嵐を受けていて、

僕らはその線を数える。

7。
   孤独な7。

闇と重なって太陽が日蝕を起こしている。
でも、せかいのはてはすべて夢。

本当は最初から知っていた。
闇と夢。

そして、せかいのはて。

見えないものが欲しいと叫ぶ闇。
見つからない数字の7。

断片的な希望の象徴は
何もかもすべて、線に変えてしまう。

(だから)

僕はそれをまた数えて眠る。

///////////////

24th/January/2015/17:39

綺麗な目で見ればみえたはずのものを僕は見逃した。
咲いていた花は小さな薔薇だった。
薄桃色の小さな薔薇。
マニキュアの匂いのする部屋で
カタカタとタイピングしながら過去を思い出した。
悲しみが一番痛むのはいつだと思う、ときみは僕に聞いた。
僕は答えなかった。思いつかなかったから。
あのとききみは僕がいずれ悲しむことを知っていて聞いたのだ。
あのとききみは既にここにはいなかったんだ。
僕はそれをあとで知ることになるけれど
悲しみが一番痛んだのは直後よりも時間が経った頃だった。
きみはこれを知っていたんだね。
きみは僕がこうなることを知っていたんだね。

あのあときみが続けた言葉は、悲しみが痛んだら眠るといいよ。だった。

僕はありったけの眠剤を飲んで眠った。
悲しみが追いつく暇がない程の速度で眠りに落ちた。
きみは僕の最期のことまで考えてくれていたの?
悲しみは毎日襲ってきたけど僕はひたすらに眠り続けた。
そうして僕は悲しみから逃れることが出来た。
きみが教えてくれた方法できみとの悲しみから開放される。
それは正しいのか不正なのかわからないけれど楽な方法ではあった。
でも、そのおかげできみのことを忘れられなくなったということはどう解釈すればいいのだろう。
きみは何を望んで僕に悲しみの対処法を教えてくれたのか。
結局、きみは最終的に僕の中に宿り永遠となった。

(このこと知ってたかい、永遠?)

blog_5 - 130

アンファンテリブル。

1st/February/2007/11:39
孤独と輪廻。

孤独が廻る。
ひとりでくるくると廻る、左足を引きずりながら。
わけもなく孤独が廻る。
音楽に合わせながら、ステップを踏んでいる。
記憶のステップを刻む。
いち、に、さん、し、さぁどんどん忘れていくよ。
記憶のステップに踏まれ、
大切なことから忘れていくよ。
ひとりで過ごすクリスマスも、なにもかも消えていかずに、
大切なことだけがステップに踏まれていく。
クスリがきれてくると昨日が今日に、今日が明日になってしまう。

輪廻は廻る。
また会いましょうと傷をかくしながら、
帽子をかぶって挨拶を軽くして
去っていった。
輪廻と孤独は対になって、軽くステップを踏みながら
遠い未来へいってしまう。
悲しみが音をたてる。
それは全部きみのせいだよという。
わかってるよ。
僕はもう疲れてしまったから、
ステップを踏むことが出来ない。
愛情がいう。
輪廻があれば大丈夫。
信じなさい。
きみのエネルギーは消えたりしない。
アインシュタイン博士が言ったように保存の法則があるからね。
蜉蝣が空を飛ぶ。
羽をまき散らかしながら、飛び上がって、
自分ごと落ちていく。
なにか
きみはそれに似ているね。
羊のつのはまだ見つからない?
そうだね、まだ。
きっとこの世の果てまで行かなければ
見つけることは出来ないよ。
早く、いそがなきゃ。
蓮華が咲き終わる前に。
散る音を聞く前に。
いつか、未来でまた会えたらいいね。
(誰にいってるの?
この世は儚い。移ろいやすいし傷つきやすい。
もう行こう。サーカスのあとについていこう。
作りかけのこの曲はどうするの?
それは悲しみがあとを継いでくれるよ。
悲しみはああ見えて、強い。
根気よく悲しみのメロディを奏でてくれるよ。
ああ、もう時間がない。
はやく、いつかの蜘蛛の巣の話を覚えてる?
うかつだったよね。
いそげ。
忘れているよ。
ステップがはやまっている。
悲しみの一月。

////////////

23rd/January/2015/18:45

詳しくは知らないけれどあのときのきみの本当の気持ちはどういうものだったんだろうか。
今となっては知るすべがない。
本人ですら覚えていないだろうしそんなこと聞くことは出来ない。
僕たちは二人でよく話したし一緒に歩いて買い物をして
なんてことのない時間を過ごした。
恋してたんだ。
それがもう過ぎた過去であったとしても
僕の中で華やかに今も繰り返される。
それは時間とともに鮮やかになっていく。
劣化していく。
劣化して美化されていく。
それが気に食わないと言うきみならもうこの世界には僕一人。
誰もいない誰も来ない誰もなくさない一人だけの世界をやっと手に入れたことになる。
僕の世界の果ての完成まであと少し。
もう少しで本当の僕に会えるよ。

blog_5 - 129

虚ろの願い、虚ろの本当。

虚ろの手紙。
2012-08-02 01:15:29
Aug 2 2012 01:15:09

出逢いが永遠に続かないように
悲しみも永遠に続くことはないよ。
どんな悲しみも時間が吸収してしまうんだ。

きみはきみの未来の中から一番の幸せを選べばいいの。
その代償に何が支払われるかなんてきみは知る必要がないし
きみがこれから享受する幸せの総量と
比べてみれば本当に些末なものだよ。

虚ろは机の代わりに
真っ黒なコレクションテーブルの上で
きみ宛に短い手紙を書いた。
そして、切手の代わりに蝋燭で涙を描いて
ヴィクトリアンドレスを着たドールの前で写真を撮ったあと、
鋏で封筒ごと細かく切り刻んで、
バラバラになった手紙を両手ですくうように持ち上げて
空中へ投げ捨てた。

(きみへ、届け。僕の想い。)

I believe you.
Any rain is certainly over.
(Eternity is not forever. Eternity do not exist.)

///////////

22nd/January/2015/19:38

眠くて、怠くて、でも起きたくて、
手を伸ばす。
(腕が切断される。)
右腕から大量に血が溢れる。
息が荒い。
右目が真っ赤に染まる。
そして、時間がゆっくりと流れ出す。
きみの声、忘れてゆく明日の記憶。忘却の末路。
遠くで救急車の音がする。

きみの膝の上で横になって顔を抱かれている。
大丈夫僕は、、、、、

blog_5 - 128