Sep 12 2006 00:24:40

何かいえばいいのに
傷ついているのはその羽じゃないだろうと嘘つきが言った。
ゆっくりと傷ついているから、気がつかないのだとも。
その脇には承認を待つ罪が玉座が空くのを待っていて、なにも知らない魂の線だけが
一本の長い影を作っている。
影は何本も重なって広大なストライプを形作る。
永遠というほど長い、上昇も下降もできない平面的な階段に似ている。

誰に傷を付けたのか、そもそもそれが重要なことなのか
明日の気温のほうが大切に思える、それはいいすぎか。
時間軸を曲げて 過去に傷ついても
いやすことはできない。
それは玉座に座る資格がないということと同義で、
それがわかっている立派な紳士は影の中に埋もれて、いつのまにか
太陽をもとめている。
残念だけど、この宮殿からは太陽は見えない。
影ができるのは、暗黙の光りがあるからだ。
語り部が今日も昨日のことのように、未来を語っている。
嘘つきは相変わらず、退屈そうに、影の相手をして、
ストライプの渦を作りながら、その巻かれ方に、自分に酔っている。
えん罪がほとんどの中、永久追放者があらわれたことがあった。
もう1000年も前の話だ。
その影は光りを知らずして、永遠に地平をのびた。
誰にも止められない速度で、時間をだまし続けた。
確認のしようがないのだ。
あまりにはやすぎて。その憂鬱さを確かめる事がだれにもできなかった。
いまの玉座に座っているのは、飾りの神父で、
なにをきどっているのか、自分の罪を告白し続けている。
ああ、いつかもどって、そして、うちへ帰ろう。
(なにもないよ)
許されると思っていたんだね、けど
逆方向に言葉を発してしまっては、誰にも理解されることはないし、
いずれにしても誰の興味もひく事はない。
だから、あなたはもう玉座をおりて、まっすぐに影のひとつになればいいんだ。
わかっているのは、きみだけだ。
すべて、傷ついている。
誰もが、時間をすぎていくのと同じように。
そして、その傷は言葉ほどに、だれかのものではない。
傷は傷であって、影のひとつ、ストライプのながさ、永遠の一部、捨てられた時間。

見えないように隠したつもりでいるきみは
真実のなにを知りたい?
言うべき時間はすぎて、雨はもうあがってしまったし、
雷雲はすでにだれかの頭上でなっている。
なにを、壊してみたいのか、自分の本当の自分を本当に理解するためには
傷つけていかなくてはならない。
ただしさだけが痛みの中にあって、夢の一部には
一周された黄昏が待っている。

さて、嘘つきのはなしもききあきた。
もうそろそろ、本当の嘘をききたいものだ。
ああ、それならちょうどいい。
適任者の夢をのぞいてみよう。
人間でありながら、蜘蛛になって、蝶になって、
すべての嘘をみぬく。水晶の目を持つ、ミクニがいいだろう。
彼のために、
階段を用意しよう。平面ではなく、正しく二次元的な空から降る嘘を。

ここでは,すべて希薄なのだ。
なにを言っても誰も聞いてはいないし、誰も何も待ってはいない。
希薄であるということが重要で、意味のある物事はせかいのはてにふさわしくはない。
ここは希薄で澄んだ究極の無でなければならない。
だから、嘘つきは本当の嘘をつき、
罪人は罪を背負ってはいない。
玉座にすわれるのは、いまのところ、ミクニだけだ。
それまでは、希薄で不在なせかいのはてだ。
彼の到着を待とう。それは忘れた頃にやってくる。
ミクニの水晶にうつる、永遠の影を、私たちは必要としているのだから。

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血の色は、空。

Jul 28 2006 08:53:39

くもる、上から下へ落ちる。
下がる。
    眼を閉じて。

血の色は、空。

空から降る、僕の血が、水たまりに映った世界を真っ赤に染めて、
いつまでも夕暮れている。

ためいきは羊の数だけあって
    憂鬱は本当はそこにない。

どこか違う場所でおこって それを ぼくは
  空から受け取る。

     空虚は元からあって、
空虚はきれいでさみしい。

    鋭く尖った指先で
      キーを打ちながら 沈んでいくのは

    誰のためのシナプスなのか、わからない。

           揺れる かれら。

       ぼくはとまって 見てる。

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