水色。

いつまでも
覗けない
ファインダーを手放せない。

どうにか角度を変えてみるけど
たぶん、もう何も見えないと思う。

さっき、彼はそう言った。
(そのレンズは特注で作らせた。)

(彼は)もうこの目に、君を映せないから
二つの目をいらないと言う。

出来れば、片方づつ
二つに分けてください、とも言った。

宛先は
絶望と
天使

二つに分けてください。

レンズに付いた
君の指紋をトレースして
彼は

彼の世界を描いた。

どうしようもないくらい体温のない夜に
きちんとドライヤーをかけた後の
整列された寂しさがあった。

その寂しさを砕いて、

彼は自分の目を埋めた。
(だって彼の両目は空だったから。)

そして、いつものように
ベッドに横になって
きちんと死体のポーズをとって

(目は開いたままで。)

砂時計をひっくり返すと
その砂が落ちていく先を

じっと見ていた。

その先には、
眠るための暗示のような流砂が
いつかまた、と

手を振って時刻を告げた。

2:53

赤い灯りがその数字を形作るとき
彼は死体のポーズのままで

唇だけ動かす。

(にじごじゅうさんふん。)

そして、
砂時計に手を伸ばし
ひっくり返すと、
また、死体のポーズに戻る。

さっきと全く同じ姿勢のままで
流砂を見つめている。

その一連の運動は、

彼の部屋を隠す、
黒いカーテンの端から

薄青い灯りが漏れてきても
終わらなかった。

その運動は連続していくたびに
数字が増えたり減ったりするだけの

単純な計算機と同じ仕組みで出来ている。

計算されるのは
彼の心臓の鼓動、
見えない目から零れた水色の色素の組成で

消えてなくなる、という前提で作られた
小さなひかりと一組になって
一生を終える、

ひとつの宇宙を理解するために
必要なエネルギーを計算するための

いつか、

という名前の関数。

だから、いつ終わってもいいように
いつでも死体のポーズのまま、

彼は、

秒を

刻み続ける。

なんの理想も
思想もなく

感情も
才能も

ぜんぶ、

ファインダーの外だった。

 

 

blog - 07

投稿者:

暁、闇。 akatsukiyami

アンビエントサウンド、ヘヴィメタル、エレクトロニカ、ノイズなどに教会音楽などを組み合わせて作られる彼独特のサウンドは、ダークで重いマシンビート、繊細で妖艶な旋律、攻撃的なノイズで狂気と安寧、相反する二面性を表現する。オルタナティブ、ヘヴィメタル、ゴシック、インダストリアル、テクノ、エレクトロニカ、クラシック、様々な様式で構築されるコラージュスタイルのサウンドは、彼が考える架空の世界や架空の国の物語からインスパイアされた世界観からイメージされるコンセプトで作られる。彼にとって楽曲を作ることはその世界観から生まれる物語を表現すること。箱庭遊びのように。

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