永遠だよ、だってきみになりたくて、September

WIERD/ワイアード[編集]
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WIERDは西暦2050年に全世界で一斉に運用を始めた地球上すべてを対象エリアとする第6世代統合情報グローバルネットワークの名称であり、WIERDを経由することによって人々はこの世界のあらゆる情報が集積される統合情報開示閲覧システムにアクセスできる。
WIERDの現在のバージョンは50.3.1である。WIERDの管理は地球軌道上に浮かぶ合計269000個のマイクロサテライトで作られた最上位AI、通称「イリン」が行っている。一つのマイクロサテライトにはバイオティックマテリアルを用いて作られた800億の人口ニューロンが詰め込まれていて、更にこの小さな衛星はその活動エネルギーを内蔵した植物生体モジュール(通称「Sophia」)による光合成で得ているため、故障がない限り永遠に活動することが可能である。そしてWIERDへのアクセスは人間の網膜に直接プリンティングするオプティカルコンソール「ヴァーチャルヴィジョン」で行う。WIERDは個体による経験によって変化する特徴を持つため、同じWIERDはひとつとして存在しない。そして、軍事産業や企業、国家が独自開発したオプションスクリプトを与えることによってその機能は大きく変わるため、WIERDは過去ワールドワイドウェブと呼ばれた「インターネット」とは全く異なる機能を持った次世代のネットワークシステムである。

最終更新 2100年1月1日 00:05

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25 MAR 2109

ワイアードの中に入ってからもう7時間が経った。
司はそれでも懲りずに解除しては次から次へと現れるアンチロックゲートを相手にしつつ、
現実世界ではオピエイドのパッチのせいで上機嫌だった。
ワイアードの中の忙しなさと対局に司の吐いた煙草の煙がゆっくりと天井に昇っていく。

司はユアンが死んでから変わった。
学年で成績が常に1位だったユアンと違って
司は授業に出ていても寝ているかサボっているかで
成績はランキングに表示されない程悪かった。
そんな司が急に授業を受けるようになり
家に帰っても勉強ばかりするようになった。
そしてユアンが死んでから三ヶ月後の実力テストで
初めてランキング入りをしたのだ。
1位だった。
誰もが驚いたが司のもっと凄いのは
それ以来、司はどんな試験であっても必ず1位をとったことだ。
ユアンが死んで司が変わったのは間違いない。
司はユアンになろうとしたのかもしれない。
実際、司の行動の理由にはいつもユアンが関わっている。
司が大学に上がるとき専攻を情報工学にしたのは
ユアンが中等部の頃から大学では情報工学を学びたいと言っていたことを覚えていたからだ。
二人が通っていた学院は中等部から大学院まで
一貫教育の有名私立の学校で日本で最も優秀と言われている。
けれど最も優秀であるのは大学の情報工学部だけなのだ。
しかも情報工学部に入学できるのは
たった20名の天才だけ。
だから、ユアンは他人より人一倍努力して勉強し
常に学年で1位の成績を維持していたのだ。

司はユアンが死んだあともずっと、
ユアンのあとを追いかけている。

ワイアードは相変わらず、
ゲートを抜けてもまたゲートの繰り返しだった。
けれど司は諦めるつもりは全くない様子で
上機嫌のまま笑みさえ浮かべていた。
ただワイアードに気づかれないだけでも
凄いことではあったが
どんな天才であっても一個人がワイアードのセキュリティを破れるとは到底思えなかった。
けれど、いまの司は無駄なことはしない。
できないと思うことはけしてしない。
だから司はオピエイドのパッチで浮遊しながら余裕なのだ。

(しかし、どうやって?)

26 MAR 2109

朝になって司はワイアードの最後のセキュリティゲート、
最上位AIのユリシーズを通り抜けてワイアードのメモリ中枢に入った。
13秒しかいられなかったが。
そこで司が見つけたのは、

ユアンが死ぬ直前の最後の記憶。
ワイアードに流れたデータ。

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26 MAY 2106




CSS

26 MAY 2106

私のワイアードはきみの名前がパスワードなんだよ。

きみならいつかまたあえるから。
それまで少しだけさようなら。
いまでもちゃんとつながっているんだよ。


ユアン、会いに来たよ 、やっと

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投稿者:

暁、闇。 akatsukiyami

アンビエントサウンド、ヘヴィメタル、エレクトロニカ、ノイズなどに教会音楽などを組み合わせて作られる彼独特のサウンドは、ダークで重いマシンビート、繊細で妖艶な旋律、攻撃的なノイズで狂気と安寧、相反する二面性を表現する。オルタナティブ、ヘヴィメタル、ゴシック、インダストリアル、テクノ、エレクトロニカ、クラシック、様々な様式で構築されるコラージュスタイルのサウンドは、彼が考える架空の世界や架空の国の物語からインスパイアされた世界観からイメージされるコンセプトで作られる。彼にとって楽曲を作ることはその世界観から生まれる物語を表現すること。箱庭遊びのように。

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