さよならのこと。

私はなんのために生まれてきたのだろう。
なに不自由のない暮らし、
私の周りにはいつも人がいて
私の世話をしてくれる。
世界中にはいまたべるものもなく死んでいく人間もいるというのに。

私がさよならというだけで人の群れが割れる。
私がさよならというだけで人が恐れる。

(私は当時まだ12歳で世界を知らないただの女の子だった。)

それでも時間は私に様々な役割を押し付けてきた。
私は何をしているのだろう。
私は何をさせられているのだろう。
それに気づいたのは姉様の死後、私に付き従う大勢の人間の私への服従。
私へ発せられた「女王様」という声。
私の役目は姉様のあとをついで女王闇になることだった。
そして、私はさよならから女王闇になった。

私はこの世界を統治する。
悲しみを統治する。
不幸を統治する。
絶望を統治する。
失くしたものを統治する。
命を統治する。
女王闇として命令をくだす。

私はそれを百年続けた。
私は狂っていった。
私は自我を制御出来ず
闇夜に荒れ狂う嵐の海原を進む船のように軋みながら生きた。
何人殺したのか知らない。
誰を殺したのか知らない。
私は赤い月に囁かれるままに殺した。
歯車が人の血で出来ていることを知った。
この世界は人の血で動いている。
だから私は殺す。
私の世界は闇だから光しか見えなくて良い。
もっと光り輝け。
私の闇はもっと深いぞ。
冷たい風に慣れてしまえば痛みさえ心地いい。
私は忘れていくさよならだったことを、
私は最初から女王闇だったんだ。
私の闇を恐れるが良い。
私の闇を忘れるが良い。
それでも私は此処にいる。

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投稿者:

暁、闇。 akatsukiyami

アンビエントサウンド、ヘヴィメタル、エレクトロニカ、ノイズなどに教会音楽などを組み合わせて作られる彼独特のサウンドは、ダークで重いマシンビート、繊細で妖艶な旋律、攻撃的なノイズで狂気と安寧、相反する二面性を表現する。オルタナティブ、ヘヴィメタル、ゴシック、インダストリアル、テクノ、エレクトロニカ、クラシック、様々な様式で構築されるコラージュスタイルのサウンドは、彼が考える架空の世界や架空の国の物語からインスパイアされた世界観からイメージされるコンセプトで作られる。彼にとって楽曲を作ることはその世界観から生まれる物語を表現すること。箱庭遊びのように。

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