宮廷図書館アッシュールバニパル。

図書館にいるといつも落ち着かないのは何故だろう。
広大な空間に自分以外誰もいないからだろうか。
けれど私はいつも此処にいるし、ここから見上げる星空も好きだ。
孤独な心を満たしてくれるのは知識しか無い。
私にとって知識とは麻薬であり、
簡単に今を忘れさせてくれる阿片に似ている。
新しい知識を得れば満足するが、すぐにまた欲しくなる。
そして新しい知識は私を賢くし、同時に悲しくもする。
知れば知る程この世界は狭くなり私の居場所を限定する。
悲しいが知ると云うことは必ずしも自分の願った結果ではない。
寂しさを埋めるために知識を増やそうとした結果絶望する真実を私は知っている。
私自身が絶望であり、私自身が世界であり、私自身が知識である。

この城の宮廷図書館にはテーブルと椅子は一対しか無い。
それはここが女王である、私一人のために作られている図書館だからだ。

入り口の重厚なドアに刻まれている精巧なレリーフには知恵の実が刻まれていて
そのドアを押せば、見えてくるのは、一つの街を丸ごと飲み込んでしまう程の広大な空間。
見上げれば遥か遠くにある天井は厚さ1000mmのサファイアクリスタルガラスが覆う天窓になっていて、
見たければいつでも空を見ることが出来る。
館内には見渡す限り同じ形の本棚が等間隔で並び、その本棚の群れは巨大な迷路を形成している。
此処に収集されている世界中の図書、視聴覚資料、録音資料は
紀元前7世紀まで遡りそこから現在までのあらゆる情報が保管されている。

私だけのための世界一大きな図書館である。

星が綺麗に見えるのは冬の特権だな。
よどみが無くはっきり見える。
誰かがどこかで私の夢を見ているな。
この闇が続く遠い何処かで私に誰かが殺されている。
残忍だろうか、恐怖するだろうか、
悲鳴を上げて逃げ惑い、私にすがって命乞いするだろうか。
切り刻んでやろうか。
それとも毒で逝かせてやろうか。
死にたいのだろう。
どんな死でも死は死だ。
痛みを恐れるな。
死ねば消える。
だから私の願い通りに残忍なやり方でお前を殺させてくれ。
いいだろう?
今日は何人死人が出るか、楽しみだ。

なあ、ジンロウ。

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投稿者:

暁、闇。 akatsukiyami

アンビエントサウンド、ヘヴィメタル、エレクトロニカ、ノイズなどに教会音楽などを組み合わせて作られる彼独特のサウンドは、ダークで重いマシンビート、繊細で妖艶な旋律、攻撃的なノイズで狂気と安寧、相反する二面性を表現する。オルタナティブ、ヘヴィメタル、ゴシック、インダストリアル、テクノ、エレクトロニカ、クラシック、様々な様式で構築されるコラージュスタイルのサウンドは、彼が考える架空の世界や架空の国の物語からインスパイアされた世界観からイメージされるコンセプトで作られる。彼にとって楽曲を作ることはその世界観から生まれる物語を表現すること。箱庭遊びのように。

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