死にたがりの少女が夢見る綺麗な死に方

4th/November/2006/02:20
死の前日。

語りの死の前日。
語りは砂浜を歩きながら、
たとえ僕が死んでも
僕はいつまでもこの景色が好きだ、と言った。
それは、永久にかわらない、と。

夕焼けも見る事のない淡々とした一日がすぎた。
そして、語りは本当に次の日に死んだ。
永遠の自由と思い出を手に入れて。
僕はその日を忘れる事ができない。
いまも、語りの声が聞こえる。

語りは、何を求めてもいなかった。
ただ、自由だけを求めていたんだと思う。
それを、語りのやり方で実践しただけだ。

語りに会いたい。
僕はいまでも語りに会いたい。

//////////////

31st/January/2015/21:09

この世界には死にたがりの少女が夢見る綺麗な死に方を丁寧に記した書物があるという。
しかし内容が真実に安らかに綺麗に死ぬ方法が詳細に記載されているため発禁処分になったらしい。
今では名前さえ聞かなくなった実在したのかさえわからない幻の書物だ。
インターネットオークションでその偽物が高額に取引されて一時期話題になった。
それが最近になってその書物のコピーがA-fileと言う名でインターネットにあるらしいと一部の少女達の間で話題になった。
しかし残念ながらファイルの名称がA-fileと言う無属性状の名称のせいで誤情報が相次ぎ真実のA-fileを目にしたものはいなかった。
世界にはA-fileという名前のファイルは何千とありその中から真実のA-fileを見つけることは誰にも出来なかったのだ。
さて、ここに一台のコンピュータがある。
今では珍しいインターネットに接続されていないコンピュータだ。
デスクトップに表示されているPDFファイルの名前はA-file。
これこそが真実のA-fileだ。
けれど内容は噂とは大きく異なる。
このファイルはある少女の数年間分の日記をオリジナルに忠実に再現したものであり自殺の指南書ではない。
最初から死にたがりの少女のための自殺の指南書など存在しなかったのだ。
日記には少女が悲しみと葛藤を乗り越えて懸命に生きていく様子が詳細に描かれている。
A-fileの最後のページにこうある。
「私は死んだから、もう死ななくていい、新しく生きる。
私は死なない。」

僕がいつか本当に、死にたがりの少女が夢見る綺麗な死に方、という本を出版したらきみは読んでくれるだろうか。

blog_5 - 137

投稿者:

暁、闇。 akatsukiyami

アンビエントサウンド、ヘヴィメタル、エレクトロニカ、ノイズなどに教会音楽などを組み合わせて作られる彼独特のサウンドは、ダークで重いマシンビート、繊細で妖艶な旋律、攻撃的なノイズで狂気と安寧、相反する二面性を表現する。オルタナティブ、ヘヴィメタル、ゴシック、インダストリアル、テクノ、エレクトロニカ、クラシック、様々な様式で構築されるコラージュスタイルのサウンドは、彼が考える架空の世界や架空の国の物語からインスパイアされた世界観からイメージされるコンセプトで作られる。彼にとって楽曲を作ることはその世界観から生まれる物語を表現すること。箱庭遊びのように。

コメントを残す