虚ろの話しと初期化される記憶。

9th/September/2007/01:42
虚ろ(永遠。)1/2

       その花はマリーゴールド。
                虚ろが呟いている。
               マリー、まりー、まりー、まりー

       ふくろうはくちばしを失って、
            夜の端っこに帰って行った。

       深い森の祈りのような
            静かな囁きだった。

           きれいなものを汚すなんて
 ぼくにはできない。
      ぼくは穢れたものを排除するために いるんだ。

 消えればいい、穢れたものはすべて。
僕もそのひとつだ。死ねばいい。
       僕も誰もかれも皆殺しにしてやるさ。

  瞳孔の開ききった虚ろは、
          それだけ言うと、眠りの中に落ちていった。
                                        雨のように、雪のように。

                  ゆっくりと、ふラふらと。

   時間は真実と、対になっている。
      猫の声と同じくらいにね。

    涙のようにね。
       毛足の長い美しい猫。

         さっきとはなしがちがうじゃないか。
      船は夢の上を走るのとは違う。
           できるなら、八つ裂きにしたかった。

          感謝してほしいくらいだ。

       虚ろは、概念上の殺し屋。
       愛も夢も、希望も、絶望も殺す。

  しねばいい、みんなみんな。
      むしろ、ぼくが死んだほうがいいのか。

            勝手に死ぬことは許さないぞ。
      苦しんで生きろ。
       それが、さよならの伝言だ。

            ふらふらするな。
 くすりがきいてきたんだろう。

   解毒剤はないの。

             そんなものはない。
      いいから、少し休んだら。

     ふうん、きみたちも、あとで殺すからね。
          覚えておきなよ。

       9,8, 7
6
5
4
3

2

1
0
              どかーん。

   はい、死亡。 虚ろは幼児のように笑いながらはしゃいでいる。

    ウイスキーをロックでくれないか。
  しらふでいると、おまえまで、ころしてしまいそうだ。

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17th/January/2015/17:21

どうしてまだ僕が生きているのかって。
僕はもうせかいのはてに着いたからだよ。
虚ろが砂浜を駆け回っている。
縦横無尽に走り回った足跡を波が寄せては返しひとつずつ消していく。
昨日の記憶に検索をかけると、きみの名前がずらりと並んだ。
一番上から四番目をクリックする。
世田谷通りのバス停できみを見送っている僕がいた。
虚ろは、ねー、さよならも呼ぼうよー、と大きな声で何度も僕に言う。
懐かしさと記憶の曖昧さを無視して何十と言う膨大なリンクをたどると現在のきみに出逢う。
(悲しみは年月では埋められないものも多数ある。)
視線が空からの俯瞰になって千本の針が僕に降る。
針は僕の背よりも長くて串刺しになった僕は血まみれでその場に釘付けにされる。
全身の痛みが最高値に達すると空港の表示板のようにパラパラと明日の記憶がキャンセルされていく。
記憶中枢にアクセスエラーの表示。
ディスクユーティリティで再構築すると、再フォーマットしてください、と表示された。
僕は記憶を全部捨てて新しくデータベースを構築するか死ぬかの二択を迫られる。
ディスクユーティリティの指示通りに再フォーマットする。
僕はもう死ぬの。
ああ、きみはもう死んでる。
再度、アクセスエラーが出てバックアップが全部消えた。
嘘!
そこで夢から覚めた。
さあ、行こう。虚ろを探しに。僕を殺しに。

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投稿者:

暁、闇。 akatsukiyami

アンビエントサウンド、ヘヴィメタル、エレクトロニカ、ノイズなどに教会音楽などを組み合わせて作られる彼独特のサウンドは、ダークで重いマシンビート、繊細で妖艶な旋律、攻撃的なノイズで狂気と安寧、相反する二面性を表現する。オルタナティブ、ヘヴィメタル、ゴシック、インダストリアル、テクノ、エレクトロニカ、クラシック、様々な様式で構築されるコラージュスタイルのサウンドは、彼が考える架空の世界や架空の国の物語からインスパイアされた世界観からイメージされるコンセプトで作られる。彼にとって楽曲を作ることはその世界観から生まれる物語を表現すること。箱庭遊びのように。

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