9th/December/2006/22:54
永久機関。
ペンを軽く握って、ひと息に線をひいた。
朱色の髪の毛のような細い線。
気をつけて見ないとわからないくらい緩くカーブしていき
最後は何かでひっかいたように線が乱れている。
細い線が象徴しているものは、何か?
それは誰にもわからないし、誰も知りたくはない。
(今日の最高気温は35℃だとニュースが告げる。)
線をたどっている。
指に朱がかすれて紙を汚す。
細い線をなぞって
なにかを目指しているのだと、それは言う。
細い線に依存しているのだと
それは言った。
(たどりつくのは愛情だから大切にしなさい。)
遠いどこか
永遠に夏の終わりの海、
常に黄昏のままの浜辺には
小さな瓶に入った宛先不明の手紙が
毎日うちよせられる。
細い線のさき、
永久に閉ざされた黄昏の浜辺では
オレンジ色に染められたガラスの刹那が
きらきらとひしめき合ったまま
波の中に
砂の中に沈んでいく。
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4th/January/2015/18:23
きみは色々な話しを何時間も話し続けた。
そして、ときどき戸惑ったように、ごめんね、と言った。
ベッドの上に二人向かい合って寝ながら話していた。
きみは僕の横顔がとても綺麗だと何度も言った。
僕は困ったようにその度に否定する。
きみはそれを何度も否定した。
それからどうしたっけ、。
ああ、そうだ、僕は煙草に火をつけてきみに渡した。
そしてもう一つ自分の分の煙草に火をつけて吸う。
きみは肺が弱いんだから本当は煙草なんていけないんだろうけど
きみがあまりに欲しがるから与えてしまった。
僕はきみが可愛くて仕方がない。
きみが欲しいものを全部与えたいと思う。
きみが僕にくれたものはそれ以上のものだから。
明日は吉祥寺で友達に会うの、ときみは言った。
僕は、じゃあ吉祥寺まで送るよ、と言って、何時?、と聞いた。
12時くらいかなあ、ときみは言った。
ふうん、と僕は言って目覚まし時計を10時にセットした。
03:24:AM
どうせ眠れないだろうから必要はないのだけど念のためだ。
そのあと、きみは更に話し続け、
僕は10時に目覚まし時計のアラームで目が覚めた。