グッド・バイ

NC2 day, 10:24:34

インドの王立アカデミーにわずか4歳で入学し、生命学、電子工学、遺伝子工学、脳生理学、物理学、量子力学、熱力学など、多岐にわたる分野で博士号を取得し、若干7歳にしてブレインドライブを発表。(ブレインドライブはコンピュータとしては当時のスーパーコンピュータの演算速度の一万倍を叩き出しており、且つ、自己進化型AIとして初めてヒトと対等の知能を持ったAIとして世界史に名を残す。)発表時ブレインドライブは既にヒトと比較されており、推定年齢は知能水準から12歳程度だった。四月一日四季の論文によるとブレインドライブは従来のコンピュータのように場所をとり、能力を限定する固定型の記憶装置(ハードディスク)をやめ、脳にあるグリア細胞と同じ組成構造を持つニューロマティクβシナプスを用いて(生体とマイクロマシンから成る人工神経軸索)直径約1メートル程の球体の中で拡散しているクオークと呼ばれる光子半導体コア(光速演算を行うための量子サイズの新世代CPU。DNAによく似た構造で、細胞分裂のように核分裂を行う。)の光速演算が過去と未来の情報の最適化を可能にした。その結果、ブレインドライブはコンピュータ史上初めて「忘れる」という機能を得る。この機能によって、ブレインドライブの記憶領域は無限大となった。(しかし、四月一日四季は提出した論文からその項目を削除している。)四月一日四季はそれぞれ別々な因子を持つ5体のブレインドライブを制作した。(実際には最初のオリジナル、四月一日四季がイヴと呼ぶ因子を何も組み込んでいないブレインドライブが存在する。)四月一日四季はインド王立アカデミーの助力を得て量産型ブレインドライブを発表、タイマー基礎理論を組み上げ、その権利と数々の特許権を日本政府に無償で譲渡。世界中のあらゆる研究機関、製薬会社、巨大なコングロマリット企業のスカウトマンが四月一日四季を欲しがったけれど、四月一日四季は相手にしなかった。そして、一年後、化学研究室を作ってもらえるという理由で母親が校長を勤める東京の名門藝術音楽大学附属小学校の2年に編入した。

NC3 day, 08:00:08

四月一日四季は大抵、登校しても教室へは行かず真っすぐに研究室に向かう。
そして、一日の大半を研究室で過ごした。

奥にある自分専用の机の横のハンガーから白衣を取ると制服の上に丁寧にボタンを閉めた。
いつも、こうして、何事も無く、時間だけが過ぎていく。
カリウムがあって、注射器があった。
カリウム46gをシャーレにとって、真水に溶かした。
それを使い捨てのパッチ(パッチの中に薬剤を液状で入れると皮膚との浸透圧の違いで勾配が出来
皮膚の毛細血管から吸収されていく。)に吸い込ませて、手首に貼付けたら、、、、、

数十秒それを見つめていた。(まだ、まだだめだよ。)

night, 15:24:22

四月一日四季は窓を開けた。
風が頬を優しく撫でた。(誰かに前に、同じことをされたことがあるような気がした。)

外はピアノやフルート、声楽の練習なんかで騒々しかった。
窓を閉めて、
いつもどおりに自分の机に座って
いつもどおり、なんだろ。

njght, 15:44:53

ベルが鳴った。
研究室のベルが鳴った。
僕以外にここに用がある人いるんだ。
珍しいな。

そんなことを思いながら入り口のロックを外すと、
「失礼します。」としっかりした大きな声で丁寧にお辞儀されてしまった。
僕は数秒おいてから、
「何のよう?」と言った。
(初めて彼女に逢ったとき、彼女は僕より5センチくらい身長が高かった。)

「あの、
研究化学会、、
入りたいんです。」とても真剣な顔で言った。
僕は「いいけど、僕の邪魔はしないで。」

「はい、わかりました。」
とても緊張してたみたいだ。
「座ったら」と僕が言ったらすぐに椅子を引き出して座り込んだ。

彼女は名前だけの自己紹介をした。(草間映(くさまうつる)(12))
僕は学生証を胸ポケットから出して彼女の顔の前に突きつけた。

彼女は数秒沈黙して、「しがつ、、ついたち、、さん。変わった名前ですね。」と笑った。
「しがつついたち・・・・・馬鹿かお前。」
「わたぬきしき。これが僕の名前。」
「え、これで、わたぬき、って読むんですか?」
(そうだよ。馬鹿。)

「四月一日くん、今日からよろしくお願いします。」

あんまり物色するなよ。
危険な薬剤が多いからな。

「この部って、私たち二人だけですか?」
「そう。」
「今日から二人。元々、僕の研究のために作ったような部だから。」

blog_5 - 35

投稿者:

暁、闇。 akatsukiyami

アンビエントサウンド、ヘヴィメタル、エレクトロニカ、ノイズなどに教会音楽などを組み合わせて作られる彼独特のサウンドは、ダークで重いマシンビート、繊細で妖艶な旋律、攻撃的なノイズで狂気と安寧、相反する二面性を表現する。オルタナティブ、ヘヴィメタル、ゴシック、インダストリアル、テクノ、エレクトロニカ、クラシック、様々な様式で構築されるコラージュスタイルのサウンドは、彼が考える架空の世界や架空の国の物語からインスパイアされた世界観からイメージされるコンセプトで作られる。彼にとって楽曲を作ることはその世界観から生まれる物語を表現すること。箱庭遊びのように。

コメントを残す