Aug 25 2007 04:43:43
いちばんの原因は、簡単に言うと、間違った。
そう、間違ったんだ。
あのとき、青の瞬間、真っ赤な泣き声をおいて、ドアを閉じて
鍵を閉めて、タクシーに乗った。さよならは僕だったのに。
それは、致命的で、重要な時間は永久に失われてしまったし、
ぼくは、いつかきっとぼくでなくなる。
細い針を見つめて、
3時間たつまで、気づかなかった。その指先にふれる、
冷たい液体の薄い黄色と、溶け残った、氷のようなかたまり。
すべて、時間さえ、もう僕の自由なものは、一切なくなってしまった。悲しみも、うれしそうに笑っている。
だから、ぼくは、さよならを作った。
切り刻んでいく、目の前にあるもの、振り返ると、血の激しく、吹き飛んでいく景色。夕暮れならいいな。
太陽がいつもより、ずっとずっと真っ赤に燃えて、
あれに燃やし尽くされてしまいたいと心から願ったんだ。
詩人なら、リルケ、ボードレール、ロートレアモン、
そう、とくに、ロートレアモンが好きだな。狂気の詩人て
いわれたけど、そうでもない。まとも。
燃えてしまったけれど、いつかまた手に入れて、
あのフレーズだけは、最後に、もう一度読みたいな。
宮沢賢治の修羅の春も好き。
唐突だけど、ひとつの物語をのせていい?
せかいの終末と永遠のおはなし。
永遠が言う。
私がいる限りけして
終わることはない。
それが役目なのだから。
終末が言う。
わたしがいる限りけして
永遠はない。
それが役目。
果たされるのは君か未来か。
夢から覚めたうさぎのように
一瞬にして解体されてしまう。
すべてが僕を支配していて
すべては僕を生かすのか。
永遠と終末は同じ列車に乗って
僕をあざわらっている。
それも砂時計しだい。
砂は砂浜に溢れるほどあるし
けど時間は確実に前に進む。
僕と永遠と終末をのせて。
November, 3 2012 04:29:12
さよなら、