組曲「不在」

Dec 12 2006 22:25:57

体から出る見えない細い糸がまゆを作る
絹糸のように体温よりも暖かい温度を持って
細かく細かく体を包んでいく
糸は体全体を包み、その呼吸も止めてしまおうとする
体から出る熱い吐息のような汗が
糸のからまりを溶かしていく
熱い部分から溶けていく
             (失うということの意味は?)
糸は、はじめ粘着質のように
絡まった部分からさらに糸をひいていく状態だった
全身をからめとったあと
悲しみで冷却された
固くなった糸は無理にからだを動かすと
触れた肌に細い赤い線のような
切り傷を残していく
どこまでも遠くが見渡せるような透明な赤色
輪廻の転生を終えた夢

最大にふくれあがった瞬間は
たぶんさっきだったのだと思う
そのときを持ってすべてが変わる
白から黒へ
水から大気へ
夢から幻へ
近くから遠くへ
朝から夜へ
点から線へ
永遠から瞬間へ
目のまわりにまとわりついた糸のかたまりをひきはがす
あいかわらず視界には見える世界が見えていて
見えない世界は見えていない
足もとでは数人の小さな天使が翼を奪い合っている (引き剥がしている)

糸をどんどんはがしていくと
体はみるみるうちに小さくなっていった
すべての糸をはがし終えると
体には一滴の血はおろか鉄分すら残されていなくて
色を失ったただの水が心臓を洗い流していく

けれど体の表面は何も変わっていない
もっと近くまでよっていって
肌をはがして中を見ると粒状に渇いた涙が
砂時計のようにサラサラ落ちてきて
その底ではたまった渇いた涙が
細かいガラスが割れるような高く澄んだ音を出しながら
さらに小さくなって
その音がこだましながら組曲を作る
                  (涙する)
粒状の涙は大量の音の洪水に溶けていき
体中に行き渡る 

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投稿者:

暁、闇。 akatsukiyami

アンビエントサウンド、ヘヴィメタル、エレクトロニカ、ノイズなどに教会音楽などを組み合わせて作られる彼独特のサウンドは、ダークで重いマシンビート、繊細で妖艶な旋律、攻撃的なノイズで狂気と安寧、相反する二面性を表現する。オルタナティブ、ヘヴィメタル、ゴシック、インダストリアル、テクノ、エレクトロニカ、クラシック、様々な様式で構築されるコラージュスタイルのサウンドは、彼が考える架空の世界や架空の国の物語からインスパイアされた世界観からイメージされるコンセプトで作られる。彼にとって楽曲を作ることはその世界観から生まれる物語を表現すること。箱庭遊びのように。

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