音楽室と音符。

Nov 21 2006 06:13:56

カタンと音符が落ちた。
知らないふりをしていたかった。
それほど
執着したくなかったから。
落ちた音符は高い音階に戻した。
音階は夢のとおりに
並べて
遊ぶコードと夏に作ったメロディが
急に流れ出してくる。
音符の端に掴まって
ただ待ってる。
(三半規管は正常ではなかった。)
そのまま、音階を降りて
暗がりを探す。
(見つからないように)
もうどうでもいいという時間になって
音符が動き出した。
音符は自律神経を持っていて
自由に悲しくなることができる。
それに休符もしょっちゅう
やってきて
だから、メロディはすごく遅い。
悲しみを追い越すことができない。
立ち上がって音符を窓に投げつけて
夢と同じ結果を求めた。
けれど窓はつくりもので
音符は高く澄んだ霞のような音を出した。
ふいにピアノがやってきた。
同じフレーズをずっと繰り返して
高い音を出した。
それでひとつ音符が死んだ。
音楽室にはイスがひとつだけあった。
そこに死んだ音符をのせると
空虚がうたいだす。
すべてすべてすべてすべて知りたい、と。
(空虚が本当に知りたいのは輪郭)
そこでピアノは突然転調し
悲しみになった。
自由だった。
音楽室の中はいつも自由だった。
悲しみで満ちてはいたけど。

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投稿者:

暁、闇。 akatsukiyami

アンビエントサウンド、ヘヴィメタル、エレクトロニカ、ノイズなどに教会音楽などを組み合わせて作られる彼独特のサウンドは、ダークで重いマシンビート、繊細で妖艶な旋律、攻撃的なノイズで狂気と安寧、相反する二面性を表現する。オルタナティブ、ヘヴィメタル、ゴシック、インダストリアル、テクノ、エレクトロニカ、クラシック、様々な様式で構築されるコラージュスタイルのサウンドは、彼が考える架空の世界や架空の国の物語からインスパイアされた世界観からイメージされるコンセプトで作られる。彼にとって楽曲を作ることはその世界観から生まれる物語を表現すること。箱庭遊びのように。

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