語りとの出会い。

Jul 25 2006 14:51:59
 
きれいなシミですね。と 語り は言った。
増殖していくシミを見て
彼はきれいだと言った。
そうですか。けれどただのシミなんです。
シミが増殖しているだけなんです。
増殖はきれいですね。
増殖はいいなあ。
(月とは違う。
もっと増えますか?
シミはもっと増えますか?
ぼくは 語り といいます。
(語り という名前はこのとき知った。
語り はさらに続けて言った。
今夜も私の月がきれいなんです。
見に行きませんか?
ぼくは少し月に嫉妬していましたから
シミは増殖していくだけですから
月の満ち欠けのきれいさとは
根本的に違うものです。と意地悪く答えた。
私の月を見に行きませんか?
私の月のクレーターは
あなたのシミのようにきれいなんですよ。
語り の月のクレーターは
何百種類もの黄色で出来ていて
影も光も微細な粉で描いたように
精密でなめらかな境界を見ることができた。
ぼくは語りの月を見てますます
どうして このシミのことを語りが
きれいだなんて言ったのかわからなくなった。
結局ぼくはそのとき 語り を問い詰めることが
出来なかったから語りがいなくなった今は
そのときの 語り の本当を知ることはもう出来ない。
(語りとはそれから百年間一緒にいた。)

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投稿者:

暁、闇。 akatsukiyami

アンビエントサウンド、ヘヴィメタル、エレクトロニカ、ノイズなどに教会音楽などを組み合わせて作られる彼独特のサウンドは、ダークで重いマシンビート、繊細で妖艶な旋律、攻撃的なノイズで狂気と安寧、相反する二面性を表現する。オルタナティブ、ヘヴィメタル、ゴシック、インダストリアル、テクノ、エレクトロニカ、クラシック、様々な様式で構築されるコラージュスタイルのサウンドは、彼が考える架空の世界や架空の国の物語からインスパイアされた世界観からイメージされるコンセプトで作られる。彼にとって楽曲を作ることはその世界観から生まれる物語を表現すること。箱庭遊びのように。

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