Oct 31 2006 00:26:15
カップに水が一雫ずつ落ちる。
いずれは溢れるだろうけど
まだ当分溢れそうにはない。
(その雫はミクニの涙?
(もしそうなら船をださなきゃ。
カップに雨が降る。雨。
カップはすぐに溢れてしまう。
誰か呼んだ?
なにか聞こえた。
だけど本当に溢れているのは
ミクニの悲しい風の吹く海。
こぼれたら
ミクニがやってきて
水晶の目で見つめる。
その水晶の中にはミクニの海があって
ミクニの見えない水晶の目から
涙が流れているのが見える。
その目を見たら
世界のすべてがわかるという。
光りと闇の世界。最果て。
猫がたくさんいて
並んで列を作っている。
ミクニのために。
カップに降る雨はミクニを呼ぶ。
語りは、毎晩僕のカップには
雨が降るよと言った。僕には意味がよくわからなかった。