雨上がりのバスルーム。| Transparent Blood

次の日、起きたらもう夜で
(21:16: 28)
とりあえず煙草に火をつけて状況を思い出そうと考えていた。
そしたら、貧血のときみたいに
目の前が真っ白になって、一瞬意識が消えて・・・
そのとき見えた光景ががあの夢のなかでみた真っ白い空間に似てて、

(でも、、どうでもいいこと。)

長く寝ていたのに煙草を吸ったからだ。
気分は悪くないし、とりあえず二本目の煙草を吸った。
今度はもう大丈夫。
一本目の煙草で体はもう耐性が出来る。
便利だ。
僕はあの夢を思い出して、
最近、いつもそうだ。
ずっとあの夢が気になって、
思い出して、悲しくなって、そして、

どうして、悲しみには耐性がないんだろうね。
ねぇ、ミクニ。
ミクニは涙で海を作るけど
どうして?
ねぇえ、どうしてそんなに涙が出るの?
すっごく悲しいことがあるの?
何か辛いの?

ミクニは黙ってる。
でも、僕は根気よくミクニの目を見続ける。
アラームがなった。
クスリを飲む時間を知らせるアラーム。
僕はベッドに戻って
枕の隣の鍵付きの大きなバッグを乱暴に持ち上げて
中にあるクスリを小さい子供がするみたいに全部ベッドのうえにあけた。
(スタイリストさんが使うような持ち手があって
表面が真っ黒な革で出来たバッグでさ、割と大きいよ。
どれくらい? 知りたいの? 
ええと、どれくらいかな・・・)

あれ、、、僕いま、何しようとしてたんだっけ。
空白だ。

あ、クスリ!
クスリ飲まなきゃ。
僕は振り向いてコンピュータのディスプレイのカレンダーを
デイリー表示に変えて今の時間を入れて
クスリのリストをチェック。

あ、そっか、もう寝る時間か。
まだ寝る気にはなれないな。
リストを変更しよう。
今日は沢山眠ったから、今眠らなくても大丈夫。
それに眠れない。

何故ならば、20時間もねむっていたおかげで
今日やるはずだった予定が全てロストしている。
これは、マズい。非常にマズい。
姉様に知られる前に全部片付けないといけない。

リストをパターンAに変更。
急がないと。

真ん中に大きいサファイアが埋め込んであるファンデーションのふたを開けて
中のカプセルをひとつ取り出してジュースで流し込んだ。
それから、ベッドに広げたクスリを全部バッグに押し込めて
無理矢理閉めて、鍵をしておしまい。

僕はまた煙草を吸って一息ついたあと、
ミクニと話していた方を振り向いたけど
ミクニはもう居なかった。

また、逃げられた。

仕方ないから、シャワーを浴びるために
バスルームのスイッチを押してお湯がわくまで
ずっとミクニの涙の仕組みについて考えていた。

あれ、僕いま、何しようと、
あたまの中が空っぽで、何もわからなくて、
パニックになりそうになった瞬間、
バスルームのアラームが鳴る。

そして、僕はシャワーを浴びた。

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投稿者:

暁、闇。 akatsukiyami

アンビエントサウンド、ヘヴィメタル、エレクトロニカ、ノイズなどに教会音楽などを組み合わせて作られる彼独特のサウンドは、ダークで重いマシンビート、繊細で妖艶な旋律、攻撃的なノイズで狂気と安寧、相反する二面性を表現する。オルタナティブ、ヘヴィメタル、ゴシック、インダストリアル、テクノ、エレクトロニカ、クラシック、様々な様式で構築されるコラージュスタイルのサウンドは、彼が考える架空の世界や架空の国の物語からインスパイアされた世界観からイメージされるコンセプトで作られる。彼にとって楽曲を作ることはその世界観から生まれる物語を表現すること。箱庭遊びのように。

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