優しく殺して。

15th/May/2007/02:27
だから、殺してくれればよかったのに。

狂ったあの人は
いつも夢のなかみたいな
世界をみていた
遠くて手の届かない過ぎた世界
列車にひかれるより
ジャガーにひかれることを
望むような人だった
絶望していても優雅に憂鬱だった
小さい女の子がよってきて
彼のまえでおじぎをした
彼は女の子の手の甲に
キスをして
かけらを奪った
女の子は夕暮れが嫌いだと言った
彼は
ぼくは雨がきらいだと言った
きみは雨みたいだとも言った
首をしめて殺した
それは彼の空想だったけれど
彼にとっては現実とかわらなかった
奪ったものは
自分自身だと彼は
気付いていない
その夢は夕暮れと名付けた
橙色にそまった女の子の
柔らかい髪を思い出す
水彩でできた彼のベッドは
淡い水色で
彼はその中で泳ぐ
真っ暗な深海を目指して
もういいよ
殺していいよ
痛くしてもいいよ
もうぼくの絶望は
退屈すぎて
(何人も殺したくせに
夏まであとどれくらいだろう
あのこは幸せになれたかな
(きみが殺したあのこのこと?
意味ないよ
そんなこと考えても
それより
どうやってあのこを殺したの?
あんなにきみを暖めてくれたのに
どうやって殺したの?
覚えてないよ
ここはどこだろう
白線の上を歩きながら
真っ白いジャガーを待っている
彼はそういう人間だった
そして彼自身が雨だった

/////////

6th/March/2015/19:00

僕はもう死んでもいいよ、と俯いて言った。
その先に未来が無くても僕は死のう、と続けて言う。
悲しみの欠片に重ねる思いがなくなって酸欠になって苦しくて吐いた。
ここで切ってと首筋を差し出して茜色に告げる。
太陽が落ちると暗闇に寄り添って泣いた。
そんなきみだから
見ているこちらが辛くなって手を差し伸べてしまう。
おいで、ここへおいで。
もういいよ、もう死んでもいいよ。
僕が殺して上げるからおいで。
(優しく殺してね。)

blog_5 - 172

忘却の虜。

10th/April/2007/04:13
赤、黄色、紫、橙、群青、ひまわり。

雨が 降っている。
 そして、時計の針に恋をする。

 赤。 ようこそ、赤の世界へ。
  目がくらむような この絨毯の上を 静かにあるく。

  振り返ると 誰かの涙が 続きを 待っていて
   ベンチの上に 紫が 待ち受けている。

 黄色。 目隠しされた時間の 整合性が ため息をついていて
  ゆるやかに 絶望していく
ガフの部屋では 入れ替わり 立ち替わり 輪廻と孤独が
  ひとつの 玉座を 奪い合っている。(切り裂いてしまおうか?)

 紫。 ベールにつつまれた紫。
   なにが 嘘で 本当か。そんなことを1000年も議論している。

     それは まったくのナンセンス。紫は死にゆく運命。

 橙。 うるさい。手のひらで口をふさぐ。
   (殺した。何度でも、殺した。)

 群青。 気がつくと インクのしみが 狂った世界図を描く。
   スプレーされた 真っ青な霧。
     その霧の中で わめきちらすのは

      砂時計の脈絡のない 秒。

   いい? ここで は 全部 (死んでよ。お願い。)
             あるようでない。

         ひまわり。 チタニウムで できた 花びら。

     花びらが 切り刻んでいく、時間軸。あしたが 今日に。
        今日が きのうへ。
 時間軸を バラバラにして ぼくは ゆっくりと命をけずる。

  いい。よく聞いて。
    アカシックレコードによれば
          僕は きみを殺すことになっている。

        待ってて。殺しにいくから。
          悲しまないで。この世界はきみには 苦しすぎる。

     ようこそ、僕の世界へ。
          おねがい。死んで。

///////////

5th/March/2015/18:38

毎日が夢の世界。
壊れていく世界の果て。
ここではもう生きてはいけないと知る。
レースを翻して捨てていく日常。
こんなはずではなかったと後悔することさえない怠惰。
忘れていたのは生き方か死に方か。
午前0時にリセットされるシンデレラタイム。
忘却の虜。

blog_5 - 171

うつとすなと、

16th/February/2007/04:26
うつとすな。

鬱は僕から意欲を奪って、砂をばらまいていく。
心の中や夢の中に。
もともと砂浜だったから
砂は平気だけど
海が遠くなるのは悲しい。
波の音が遠くで鳴っている。
僕は波の形を想像する。
透明な塊が一瞬ごとに姿を変えて
白波を落していく形を想像する。
その波の中に埋もれていく
僕のカケラだった砂粒は遠い沖のほうまで
運ばれていって
研磨されて、いつかまたこの砂浜に戻ってくる。
いまは鬱の嵐で
それが美しいものであることを願うしかない。
この世界のはてが
ただの夢であることを願う。
きちんと僕の世界に運ばれていくことを願う。

////////

4th/March/2015/18:10

あの頃と変わらない風景に涙する。
悲しみと変わらない無垢な気持ちが潔く流れ出す。
冷たい水に気づかされる。
海の底に僕は沈んでいた。
あの頃と違う風景に、なんて思わない。
昨日と変わらない風景だ。
(悲しみの温度はそれでは計れないよ。)
僕はここにずっといた。
数年、十年、何年、ずっとだよ。
千年先のコール音がなった。
もしもしだれか生きてますか。
僕はこのまま世界の果てにいます。
だれか生きてたら返信ください。
段々ゆっくりになっていく時間に言葉が追いつかなくなくなる。
もしぼくがいきていたらせかいのはてをかえすから、
まっていて、せかい、
こんn、せかい、いrない

blog_5 - 170

悲しみと云う名で彩れた庭園。

28th/December/2006/17:29
シューアラクレムとふっくらしたデブ。

丸の内の地下に似ている。
東京駅まで続く広い道に似ている。

天井はどこまでも高く
壁には涙のあとがしみついていて
両側にあるベンチには ふっくらしたデブがいて
眠りについて 考え違いをしている。

今朝食べた献立について
その献立を思い出せないことについて
アボガドの柔らかさについて

手に持っている シューアラクレム を握りつぶして
手に溢れるクリームを頬張っている。
3日かけて嫌いになったら
もう飽きた と 不在連絡表 が入っていて
(飛び出すカード仕立てになっている。
飛び出してくるのは虹。)

クリームまみれ。

ベンチが1丁目まで延びた。
ふっくらしたデブが眠くて歩けない。
フラフラしながら手をクリームでべたつかせたまま
ベンチで寝てしまった。
デブは寝言がはげしい。
なにもないよ。
なにもない?
きみには眠りがあるよ。
ああ眠りはいいねえ。
けど眠りだけじゃねえ。
なにがたりない?
かどのまるいオーガニックなさあ、
センシティブな僕でも耐えられる夢心地なさあ…。
それは甘い?
たぶん甘いよ。
葉巻の煙みたいに?
高級な葉巻の煙みたいに。
煙かあ。煙はいいねえ。
揺れるのがいいね。
流れていくのがいいねえ。
かたち が ないのがいいね。
消えていくのがいいねえ。

///////////

3rd/March/2015/18:27

吹き飛ばされた記憶の渦。
渦に巻き込まれていく過去や憐憫。
中心では過去の記憶が引きちぎられてばらばらになった。
僕はここで見ているよ。
愛したことも千年先の未来も全部引きちぎられて自由。
言葉の法律が改正されて愛が嘘になる。
憐憫に連れられたさよならが手を振ってさよならと告げた。
つまらなさそうにした小さな兄弟がお菓子をねだる。
悲しみと云う名で彩れた庭園だ、ここは。
遠くに見える観覧車も何処かで見たような形でピカピカと光る。
咲いている花は全部茎を折られて枯れている。
花のように見えたのは茎から流れ出た様々な色の血の乾いた跡。
ここでは全てのオブジェの首が無い。
それは名前を奪われた証。
顔を失った体から名前を推測することは出来ない。
この世界の果てに流れ着いた様々な記憶の跡。
悲しくとも記憶はもう誰のものでもない。
ここに有るのは全て現象と云う時間のレゾンデートル。
現象を砕いて一番小さな単位にした原子の様なもの。
砂の様な粒の形になった流体で様々な形に加工されている。
(誰が作ったの。)
悲しみを忘れないように、
でも痛くないように。
(誰が作ったの。)

バイバイ、

(ここは私の代わりにあなたが作ったの。)

blog_5 - 169