ロマンシア、2。

2nd/March/2015/18:39

便利な殺し屋として雇われ続ける私は恨みも何も無い人間を散々殺し続けた。
きみを失ってから私は元の世界に戻って毎日のように人を殺した。
きみの命なら尊いと思えた人の命がきみじゃないという理由だけで虫けら同然に思えた。
だから言われた通りに殺し続けた。
そうした日々に諦めがついた頃、ひとつの重大な情報を得た。
きみを殺った男の足取りだ。
あいつは今同じ街にいる。同じ街にいて、同じ空気を吸っている。
吐き気がする程気持ちが悪かった。
でもいい。これからのことを思えばそんなことにも耐えられた。
塔の上に立ってあいつの部屋を覗くとデスクに座っていた。
私はその映像を高強度アサルトライフルの光学式スコープから見ていた。
座標がダウンロードされる迄あと2秒。
アップデイティング完了。
トリガーを弾いた瞬間あいつが倒れた。
20秒後に着弾音が響き渡った。
やった。やった。やっとあいつを殺した。
きみを殺したあいつを殺した。
やった、やったよ。きみ、きみ、きみ、きみ、きみー。やったよー。
やっときみを殺したあいつを殺せた。
涙が溢れてしまう程嬉しかった。
でも、それも30分ほどで変わる。
私は正反対に巨大な虚しさに襲われた。
折角あいつを殺したのにどうして嬉しくないのかな。
どうして涙が出るの。
どうしてきみは帰ってこないの。
どうしてきみはいないの。
どうして、どうして、どうして、どうして。
どうして、神様、この世界は不条理なのでしょうか。
Amen
私はあいつの家族を皆殺しにしたあと、
きみのお墓へ花を捧げた。
(ねぇきみ私の右目をあなたにあげる。
ね、うけとって。)

blog_5 - 168

3月のクリスマス。

25th/December/2006/00:00
悪魔がきたよ。

ドとレとファを持って。
空へ浮かべて音符を砕いているよ。
僕はそのかけらをメロディにするけれど、
捨てる場所が見当たらない。
いつか、死んで、いつか、死ぬ前に思いだすだろうか?

眠れない夜のメロディ。
それは空っぽだから。
うかつに近寄ったから、罰がおりたんだ。
そう、これは罰。
だから、受けとめなくてはいけない。
だから、死ねない。
死ぬが言う。
いつか、誰にでもやってくる。
だから、安心していいんだ。
それまで、我慢じゃなくて、せかいのはてに
行く方法を探せばいいんだ。
わかった?

僕には、何もない。
誰も何も持っていないというかもしれないけど。
真実の意味で、戦闘機乗りのように
いつ死んでもいいんだ。
いつかの思いがあるからさ。
語りの涙とミクニの涙があるからさ。
青い海と空虚。

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1st/March/2015/18:23

特に誰かのこと思い出した訳でもないのに何この切なさ。
雨の音がポトポトと後押しする悲しみのスピードで鮮明になる。
いつかの景色がコラージュされた混ぜられた記憶。
そのスピードで見えてくる景色はクリスマス。
僕の耳を壊す。
僕の目を壊す。
僕の頭を壊す。
3月のクリスマスは大分切なくて冷たい。
皆殺しの天使が午前0時一斉にベルを鳴らす。
僕はきみときみときみときみときみときみを殺す。
ああ、何この黄昏。
何この悲しみ。
返り血が気持ち悪いよ。
(一生愛してる。)

全部嘘だけど。

blog_5 - 167

世界の果ては悲しみの入り口。

12th/December/2006/09:20
ななめの視線。

今朝起きると斜めだった
ベッドから起き上がれる気が全くしなかった。

それでも、ソファーまで這っていき、
クッションにつかまって、なんとか立ち上がることができた。

そこで、全く見事な仁王立ちですねー、と
手のひらの上で小さくなった自分が言った。

全く見事な仁王立ち。

僕は無視した。

頭痛がひどいんじゃない?
右のこめかみの辺りがひどく痛むんじゃないの?、と
また自分が言った。

(なぜか、その言葉はちょっと前に自分が言ったような気がする。)

手が冷たい。
手のひらがびしょ濡れだった。

小さい自分(体長15センチくらい)の上に、小さな雨雲があって
その雲から絶え間なく雨が降っている。

よく見ると、小さな自分はびしょびしょになりながら
雨が作る川に流されないように、前かがみの姿勢で踏ん張っている。

そこで、また言う。
素晴らしい仁王立ちですねー。

さっきより小さな声だった。

僕は無言で見下ろす。
じっと見つめられていることに
恥ずかしくなったのか

雨に降られやすい性質なんですよー。と
言い訳のように言いながら、小さな自分は顔をふせた。

声がまた小さくなっている。

雨が降り続い…、

言っていることが聞き取れないほど
小さくなった。

小さな自分は泣いているようにも
見えるけれど雨のせいでわからない。

手のひらに顔を近づけてよく見ると
小さな自分も手のひらの上に小さな自分をのせていた。

その手のひらの上の自分の手のひらの上にも
また小さな自分がのっていた。

僕たちはどこまでも小さくなって、頭の上に小さな雲をのせて
絶え間なく降る雨に、打たれ続けていた。

今朝ななめになりながら。

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28th/February/2015/18:22
世界の果ては悲しみの入り口。
出口は無い。

blog_5 - 166

冷たい雨。

11th/December/2006/22:50
ZERO

のどの粘膜に胡瓜の産毛のような棘がささったままだから 白砂糖の甘さが血にまざって痛い 端からぽろぽろと崩れていく砂糖のくずが 唾液に溶けてツララを形作る のどに刺さる 40℃の夢の片隅で流れ出した血液が甘くなっている 成分は純粋なまま形だけが変化した ツララが増え続けて そこはもう のどではない 言葉がかたことになってしまう けれど けれど けれど けれど 甘いはえいようぶんだと しっている きづく ツララがとけていって ちにまじって たらたらながれおちていったら そのながれのさきには げんごや があって  きょだいなりんねでできた しんくのしゃりんが(しゃりんにはなまえがついている なまえは せんねん)   とうをぶんかいする
(かわいているだろう)ぶんかいされて ねつになっていった ことばになっていった それはいつか きのう こうじょうでひかった さびどめのスプレイ ゆめだったから なきさけんだ ゆめだったから うばった ゆめだったから きりさいた ゆめだったから (3ふんごにおなじゆめをみた)

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27th/February/2015/18:28

僕は冷たい雨。
きみの肩に降る。
きみの睫毛に降る。
きみの唇に降る。
きみの手に降る。
きみは濡れながら悲しみになる。
僕はそれを見てる。
僕は冷たい雨できみの髪を濡らす。
きみの目を殺しながら僕は雨になる。
僕が雨できみは、なに?
忘れていたことも映る水たまり。
空を見上げれば目に余る光が降ってくる。
誰も気づかない2月27日が過ぎていくよ。
僕はきみのこと少しだけ思い出して少しの時間過ごして。
きみの顔を思い出してきみに降る僕を思った。

blog_5 - 165

線路と空白と猫、とあなた。

7th/December/2006/0:12
線路と空白と猫。

猫がいた。

きらきら光った音と
聞き取れない言葉が詰まった猫。

挨拶を交わす。
あれはメートル法では計れない。

長い舌が印象的で
それなのに舌足らずな声で話しかけてくる。

(教えようか? それとも食ってやろうか?)

あたまのなかに猫がいて
時々話しかけてくる。

それはニャ―ではなくて
ひとりごとみたいな問い掛け。

  涙の絵を描けよ。
    (空の絵を描けよ。)

同じ夜が訪れて、
同じ音を奏でながら、ふたりで笑いあえるなら
猫は踊る。

2本の指だけが欠けている。
それでも残った爪で、レセプターを引っ掻く。
起こす。

(きみを?)
  長すぎるかな?

振動が激しくて夢から覚める。
階段を降りると自分と出会う。
擦れ違う。

猫が食べている。

神経繊維を引っ掻きながら
それで僕はまた道に迷う。

この猫さえいなければいいと思う。

猫は笑った。
あたまのなかに響く。

笑いながら猫が踊る。
  (そこから先の描写はカット。)

反転する。
      僕が猫になり猫が僕になる。

熱くてたまらない。
12月の真夜中なのに。

発火しているシナプスを見る。

とても美しい夢。
繊維が絡み合って光る。

大切だったけれど
消えて、失くなるまで発火を見届ける。

散ってしまう火花と記憶。

僕は猫になり
猫は僕になり、

闇は夢になり、涙は海になり
憂鬱は記憶になり、記憶は火花になって散る。

(ああそれにしても熱い)

見えない階段を降りたり
昇ったり

爪を磨いたり踊ったり…
繰り返すのさ。

このエピソードを。

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26th/February/2015/19:51

ラララ、私はあなたを赦す。
ラララ、私はあなたを殺す。

blog_5 - 164

世界の果てで、

8th/December/2006/15:27
心塊。

自分の前に
全く同じ自分を置いて

             二
             人
             で

   僕
   ら
   は
   自
   分
   自
   身
   を

   奪
   い
   合
   う

       目を奪い
            手を奪い

              足を奪い
       心臓を奪う

    一度奪っても

        奪
        い
        返
         さ
         れ

    奪い
      返されて
         も また奪い返す

         僕 と 僕 は

   同じことを 何度も 何度も 繰り返し た

            い
            つ
            ま
            で
            た
            っ
            て
            も
      奪
      い
      合
      っ
      た

    本
    当
    は
      僕
        ら
       は
    一
    人
    だ
     し

                       目も
    手も(今までに感じたすべての記憶)

        足も

             心
             臓
             も
               (全部)

             僕
             ら
             の
             も
             の
             だ

(ああ そうか きっと同じだね 奪うも 奪われるも)

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25th/February/2015/22:43

世界の果てで出逢った僕らは、
世界の果てで逸れたまま、何時迄も会えない、ずっと。

blog_5 - 163

見えない雨。

18th/November/2006/19:02
雨と海。

空気が抜かれていく。
スーという音が聞こえる。

見えない海が満ちていて
見えない波が押し寄せている。

消えてしまった泡の粒が
空に浮かんで見えた。

満ちて押し寄せて
流されていて、ハサミに挟まれて

真っ二つにされてしまった。

泡の粒は空で割れて、降ってくる。

(なにが?)

見えない雨が降ってきて
見えない海を満たしていく。

満ちていく。
        溢れていく。

//////////

25th/February/2015/18:19

見えない雨に降られて僕の形は消えていく。
さっきまで僕だった手のひらが今は見えなくなった。
少しずつ僕は僕を失っていずれ全部消える。
見えない僕を誰も見ることが出来ない。
悲しみと一緒。
形の無いものを見ることが出来ない。
だから僕はイメージで生きる。
想像の中で生きる。
思ってみて、一人部屋の中できみを見ている僕を。
僕はその想像の中でしかもう生きていくことが出来ない。
形の無い人全部がそうだ。
もう会えない人には想像の中でしか会えない。
それでももうこの世界にいない人にも会えると云うこの仕組みは素晴らしい。
きみはもういない。
でも想像の中で会える。
僕はもういない。
でも想像の中で会える。
きみも僕ももうこの世界にいない。
誰もいない。
音も光も消える。

blog_5 - 162

雨になったり天使になったり嘘ついたり。

15th/November/2006/15:29
雨のち雨のち雨。


きのうも雨
今日も雨
嫌なら晴れましょうか?と
6が言う。
6は鈍い。何ごとにも鈍い。
だから、わかってないんだ。
雨の降る夢をなんども見る苦しみを。
だから永久ケーブルにさして
ひっくり返して9にしてやった。
これで繰り上がれば0に近付くし
一石二鳥だ。
けど、いまはまだ7のままがいい。
本当はずっと7でいたい。
いつか標準偏差がやってきて
笑いながら
孤独と名付けて
割り切れなくしてくれればいい。
1も消える。
…7も消える。
虚数も消えてしまえ。
今日が雨だから
思うわけじゃなく
ずっと待ってるんだ。
ループから抜け出るタイミングを待ってるんだよ。
誰にも意味はわからないだろうけど。

///////

24th/February/2015/18:02

僕は雨になりすましてきみに降る。
ポツポツと降る僕を傘もささずに受け止め続けて、きみは結局風邪を引いてしまった。
だから僕はきみを見守るために天使になる。
(え、天使になるの? そうだよ。 天使になんてなれるの? なるんだよ。
どうやって? どうやってもなるんだよ。 僕はきみを守るためなら天使にだって悪魔にだってなるんだよ!)
天使になって僕はきみを見守る。
永遠に。
(え、永遠に? そうだよ。 永遠? そうだよしつこいな。 だって永遠だよ?
本当に? 本当にするんだよ。絶対にするんだよ。)

僕は天使になってきみを見守る。
永遠に。
(本当かなー? 嘘っぽいなー。 怪しいなー。 怪しくない。本当に。天使でしょ、ほら。
だって、永遠にでしょ? 永遠にだよ。 嘘っぽいなー。 飽きるでしょ? 飽きない!
面倒くさくならない? ならない! 本当に? 本当に!
嬉しいな。ありがとう。)

(天使って意外と退屈だなー。
永遠って言っちゃったなー。途中解約出来るかなー。天使協会に聞いてみよーっと。)

blog_5 - 161