きみの傘。

9th/October/2006/02:08
黒い傘。

かなしい夢ばかりみる。
実際には、楽しい夢、行きたかった場所や、したかったこと、
そんなできなかったことを夢の中で実現している。
夢の中では楽しい。
だから、目が覚めると悲しくなってしまう。
それはもう失われてしまった出来事たちだから。
涙ばかりあふれてくる。
かなしい夢のあとには、必ず雨がふる。
溺れてしまわないか不安になって、
大量に傘を買う。
ずらっと並んだ傘。
色も形もバラバラで、どれがどの雨をよけているのかわからない。

この傘をさすといいよ。
それはなにがいいんですか?
この傘をさすと目が覚めない。
それはすごい。
じゃあ、せかいのはて でずっと暮らす事ができますか?
できます。
それはすごい。
この傘をもらえますか?
差し上げます。
この傘をさしたら、二度と目が覚めないんですね?
そうです。

僕は二度と目覚めない傘を手に入れた。

/////////

23rd/February/2015/18:23

悲しい傘を手に入れた。
その傘を差すと世界の果てに追いやられてしまう。
世界の果てではいつも雨が降る。

雨が降ってた。
僕はこの雨に濡れるか世界の果てで雨に濡れるかの選択を迫られる。
どっちにしろ濡れるんだ。
どっちでもいいよ、と僕は傘を差した。

轟音がした。ーーー

一瞬に全てを失った。
世界の果てには何もなかった。
雨だけが降っていた。
何処までも続く地平線に降り続く雨。
こんなはずじゃなかった。
もっと違う世界の果てをイメージしていた。
そんな言い訳は通用しない。
何時間泣いても雨は止まなかった。
ずぶ濡れだ。
滴り落ちる雨に視界を奪われてもう前が見えない。
体温を奪われる。
隠れる場所も無い。
このままでは死んでしまう。
それでもいいと思った。

きみが傘を差してくれる前は。

blog_5 - 160

重ね合わせの空。

22nd/February/2015/18:47

僕はおととい死ぬために48錠の薬を用意した。
用意して飲んだ。
ほとんどは吐いてしまったけど。
結局あの薬に頼らなければ逝けないのか。
僕は手首を切る痛さも嫌いだし、首を吊るのも好きじゃない。
だから、薬に頼るしかない。
どうしてあんなに痛いのに手首なんて切れるんだろう。
僕にはわからない。
痛み止めを飲んでいたとしても嫌。
血を見るのが嫌い。
傷跡を見るのだが嫌い。
他人のはいいけど自分のは絶対に嫌。

悲しい言葉ばかり並べて退屈な物語を作ったけど誰も読んでくれないから廃棄しよう。

30th/September/2006/01:54
透明なかけら

月曜から金曜まで
連続している、あたりまえのことだけど
僕は時間の流れが睡眠で途切れる事はないから
真実に時間が連続する。
(正確には途切れているが)
電車に乗ってから、今日が金曜だったときづく。
この時間でこんなに混んでいるのは、普通はないから。
人の顔を眺めていると、乗り換え駅に近づいたらしく
座っていた人たちがたちはじめ
出口に並んでいく。
少しでも早くうちへ帰りたいのだろう。
恋人が待っているとか、子供に早く会いたいとか
うちでゆっくりしたいとか、いろいろ理由はあるんだろう。
ぼくは、人ごみをさけて、一番最後におりる。
早く帰る理由がないからだし、
人ごみが嫌いだから。
同じ理由で、乗り換えてから、いつも降りる一駅手前で降りた。
ここからだと、30分くらい歩く。
でも、どうしても密着した車内に耐えられなかった。
それに、歩くのは普段運動をしない僕には、ちょうどいいと思ったし。
真っすぐに続く道を自分の曲を聴きながら歩く。
歩くのは結構速いんだ。
ちょうど中間の交差点に着くまでに
5、6人を追い越してきた。
けれど、急いでいる訳ではないしと気づいて、
交差点を曲がってからは、わざとゆっくり歩いた。
最近はよく帰り道を歩く。
以前ならタクシーに乗っていた。
少しでも早く帰ってシャワーを浴びたいと思ったし、
やりたいこともあった。
いまは睡眠をとらないおかげで終電で帰っても
朝までの時間をゆっくり使える。
いそぐ理由がない僕は、幸福と不幸の重ね合わせ状態にあって
それを判断するのは常に他人だ。
だから、いまの僕の状況は幸福だし、不幸だ。
僕はいつか元に戻るだろうか。
その前に、まず元に戻りたいと思うだろうか。
わからない。
いまの自分は器でしかないし、
中身はあるかないかわからないくらいの透明度しか持っていない螺旋階段みたいなものだし、
その螺旋を上ったり、降りたりしながら、結局はなにもしていない。
自分のために空虚な音の音楽を作るし、
何も描いていない絵を描く。
きっと空っぽにしておきたいんだ。
いつでも。
それは、愛しい人のために。
満たされたい?

まだ、そんな感情が残っていた。
消耗していきながら、どんなに小さくなっても、
いつまでも、待ち続ける。
そんな気がした。
たぶん、時間はもう少ししか残っていない。
それは、痛みでわかる。
毎日少しずつ痛みがはっきりと輪郭を描くようになって、
いまはどこが痛いのか、手で触れられるくらい。
だからなのかな。
睡眠をとらなくてもよくなったのは。
時間が少ないから、少しでも節約しているんだろうか?
そんな本能があるとは聴いた事がないし、
たぶん違う。
正確には、1時間くらいは寝ているし、
たぶん、記憶のずれもある。
うちに着く手前に公園があって、ぼくはいつもそこでタバコを吸ってから帰る。
時間は5分のときもあるし、1時間くらいいることもある。
夜の公園でも、割と人は多い。
僕は一番うちに近いほうのベンチに腰掛けて
ゆっくりタバコを吸う。
もうすぐ1分もしないうちに家に着くのにどうしてなんだろう。
よくわからない。
ただ、公園は落ち着かない。
たくさんの幸福が満ちているから、悲しくなる。
(悲しくなる? どうしてそんな言葉を使うんだろう)
僕がいつか消えると、誰が最後まで僕を覚えていてくれるだろう?
今夜は、なぜか濾過されていない言葉ばかりが並ぶ。
これは珍しいことだよ。
(痛いよ)
早く完成させなきゃ、最後の曲を。
いつか、誰かが気まぐれに、その曲を聴いて、何を思うのか?
(そんなことはどうでもいい)
夢は戦闘機のパイロット。
空を自由に飛び回りたかった。
高所恐怖症だけど。

どうして、こんなこと書いてるんだろう。
久しぶりの物語が退屈だ。

器は指で軽くはじくと
キーンと甲高い音がする。
それはしだいに大きな音になって、器全体が小刻みに震えだす。
器には少しずつ、ひびが入っていき
ゆっくりと小さなかけらになって、はがれ落ちるように割れていく。
とても美しい崩れかたで、粉々になっていく。
やがて、砂の降ったような跡だけが残る。
それは、本当に砂の粒子のように細かく、薄い透明で
さらさらとゆっくり音をたてながら、
冷たくもぬるくもない風のようなものに吹かれて
跡さえも消えてしまった。
目に見えない小さな粒子はどこまでも拡がっていく。
キーンという大きな音はいずれ静かになって
忘れるくらい小さな音で永遠に鳴り続ける。
その音はいつか誰かを振り向かせる。
けれど、振り返ってみても、そのときにはもう器は消えたあとだ。
透明な粒子に誰か気づくだろうか。
よほど目を凝らしてよく見ないと見えないかけら。

きみがもしそれを見つけることがあったら
思い切り空へ放り投げてほしい。
自由と空と風と最後のきみの手のぬくもりに感謝します。
永遠に。

blog_5 - 158

悲しみ十字軍。

18th/November/2005/14:53
境界線。2

昨日見つけた境界のはなし。

くっきりとした赤い線の境界。
赤い線を引かれてしまったからには
境界を越えるたびに
面倒くさいことが起こる。
第一にずっと自分の殻に
閉じこもっているわけにもいかないので
外に出るために境界越えをしなければいけないのだ。

これは問題だよ。

昨日まで自分だと思っていた場所が
今日から勝手に行き来ができなくなるんだからさ。

昨日まで自分だったのに
今日からそこは あなた もしくは きみ になるんだ。
正直困るよ。
どこかに行くたびに 留守番つけなきゃいけなくなるしね。

うるさいよ。正直困るよじゃないよ。
困ってるのはこっちだよ。
留守番て なに?
そんなに心配なら鍵でもつけておけば。
誰も君の中に入ったりしないよ。

(殴打)

痛いな もう。
殴らなくてもいいだろう。
きみが境界なんてないとか言っておきながら
僕ときみの境界なんか作るから
こんな苦労が生まれるんだよ。

(口切断)

やっと静かになった。
きみがうるさすぎるから
境界作ったのに 余計にうるさくなった。
最初から こうすれば良かった。

(沈黙)

さて うるさい君も黙らせたことだし
どこか旅にでも行きたいな。

(沈黙)

きみも結局ついてきちゃうんだけどさ。
ほんとは境界なんてないんだよ。
離れることなんて できないんだよ。
ぼくらは。

////////////

20th/February/2015/18:01

悲しい物語なんてこの世界に山ほど有るのに僕らはまだ求め続ける。
挙げ句の果てに待ちきれず自ら悲しい物語を書き綴る。
どうして僕らはこんなに悲しい物語を愛してやまないのだろう。
悲しい出来事じゃなく悲しい物語を。
僕らはそれがリアルであれば可哀想だと感じ出来事として憐れむ。
けれど悲しい物語であれば感情移入し物語を楽しんでいる。
悲しみを楽しんでいるのだ。
僕らは悲しむことに慣れすぎて消費することに何の疑問も持たないのだ。
悲しみをエンターテイメントとして興じている。
僕らは悲しむことに抵抗しない。
寧ろ悲しむことを目的として生きている。
悲しみ反レジスタンスだ。
僕らは悲しみを空に掲げ世界を股にかける。

blog_5 - 157

また、四月がくるよ。

15th/November/2005/13:45
ゲシュタルト崩壊。

また四月がやってきて
ぼくは僕を憎んだ。
夢と悲しみを使って時間を作り
睡蓮の花を咲かせるきみは
遠い砂浜の白い砂に僕の名前を書いて
波に流している。
(けれどね、そのなまえは 本当にあっているの?
(ぼくの本当の名前は語り。
(きみはそれを知らない。
(ずっと見つめすぎて
(きみは僕を見失っているよ。
(そういうのなんていうか知ってる?
(全体性の喪失。
(ゲシュタルト崩壊。

眠れないね。
眠れない。
眠れない…な。
眠くない。
眠らないと。
眠れない人だけ集められて
壁のすみに 座らされて待たされる。
(なにを?
(眠りを。
みんな待った?
じゃあさっそく寝ようか。
死体のポーズをとって
手を広げて 力を抜いて
さあ とびこんできて僕の胸に。
(こんな感じに?
(ちょっと違う
みんな壁に沿って天井を見上げて。
壁と天井の境目をじっと見てて。
(一同見上げる。
ちょっと待った。
「眠」という字をよおく見て。
じっと見ていて。
なにが見える?
眠。
眠だよなあ。
眠。
眠。
なにが見えるっていうの?
もっと見ていて。
(5分経過。
なんだか「眠」て変な形だな。
これ 誰の「眠」?
え?
僕のじゃない。
あ それ僕のかも。
きみの「眠」変な形だよ。
そんなことないよ。
変じゃないよ。
だっておかしな形に見えるよ。
線のかたまりに見えてきた。
あ 僕も。
え あ 僕も変に見えてきた。
なんで?
だから眠れないんだよ きみ。
じゃあ今度はきみの「眠」見せてよ。
いやだよ。
いいから出せよ。
あ。
(5分経過。
あ 眠が変わった。
読めなくなった。
僕も読めない。
そもそも僕ら何してるんだろ?
眠てなに?
図形だろ。
変な形だね。
ほんとに。
(全体性の喪失。
あ 壁と天井のあいだから
ピンクのペンキが流れてきたよ。
染み出してきてる。
アレなに?
(なにかのコードが鳴ってる。夢みたいな。
ピンクのペンキがあたまに垂れてきたよ。
どんどんペンキがたれてくる。
鼻の中までピンク色。
(#FF0066
みんなピンクの「ピ」をよく見て。
ピ?
ピ。
(永遠て 5分より長い?
「ピ」って変な形。
「ピ」ってなに?
さあ?
なんだろ?
ピ。
人がボールを持ってる形に見えてきた。
これなに?
線だろ。
線かな?
線だろ。
線だね。
線。
あ。
みんな「線」を見て。
、、、、、。
(全体性の喪失。
(まぶたが重くなってきた。

//////////

19th/February/2015/23:14

願いが叶わないことが全て失敗じゃない。
夢の中だけで生きていられる幻想もあるのだとういうこと。
それが挫折と云う形で表現されただけ。
だからもう泣かないでいいよ。

blog_5 - 156

村上春樹ばかり読んでるわけじゃない。

7th/November/2005/02:12
境界線。

いま境界の中にいる。
そう思った瞬間から そこが境界になる。

いろんなものすべてに境界があって
それが いろんなものを束縛している。

境界を越えると そこは アメリカ。
境界を越えると そこは 冬。
境界を越えると そこは きみ。
境界を越えると そこは 悲しみ。
境界を越えると そこは 眠り。

(割り込み)

あなたが そこで 数を数えるように
境界 境界って 言っていると こっちまで めいってくる。
境界なんて どこに 見えるの ないでしょ本当は。

あるかもしれないよ。
ないよ 境界なんて 目に見えない物は ないよ。
誰か さっきも叫んでいたよ。 目に見えない物が 欲しいんだって。

目に見えないものは ないから。
確かめられないものは ないから。

でも さっきから 雨が降っているけど
僕のまわりだけみたいだよ。
雨と 雨が降っていない の境界が ここにあるよ。
目にみえるものは あるよ。
ないのに 境界を作るなって言ってるの。

けど この雨は 僕の小さな僕の上から 降ってきているよ。
きみと 僕の境は どこにあるの?

(頭をたたき割る)

ひどいよ。 僕 死んだよ 一回。
一回くらい死んだ方がいいよ。 しつこいから。うるさいから。
耳を引っ張る癖 なおしなよ みっともないよ。
夢と現実の境は?
夢は眠りの中、現実は覚醒の中。
悲しみと喜びは?
悲しみは嘘、喜びも嘘。
アメリカは?
アメリカはあっち、成田から出発。
冬と秋の境界は?
今日は立冬、今日から冬。
僕と君の境界はどこ?

(死ね)

また 死んだ 二回目だよ。
あと一回しかないよ。
いいよ。一回あれば。
境界なんて 意味ないよ。
境界なんて 意味ないね。
わかったら きみ、
この赤い線からこっちに入ってこないでね。
この赤い線が 君と僕の境界だから。

////////

18th/February/2015/18:31

悲しいことばかり書いてきたと思っていたけど
悲しいことばかりじゃなかったんだ。
変なの。

blog_5 - 155

ミクニがミクニになる前の話。

4th/November/2005/15:53
蜉蝣の日。

透明な 木の箱を使って 階段を作った
透明だから 目に見えないし 足音も響かない

本当は 一瞬だけ足音はしてる
だけど すぐに吸い取られているから 誰も 気づかない

透 明な 階段 を登って
もっと高く 透明になる

(積乱雲の中では 自由放電が起こっている
 屋根の上に登って 確かめに行ったまま
 あの子は帰ってこない
 きっと くものす に絡めとられているよ
 僕はね 一度 あの くものす に
 絡めとられたことがあるんだ
 だから わかるんだよ
 気配がするんだ
 大きな くもが 音もたてずに
 透明階段を ゆっくり 登ってくるよ

 僕はね 本当は く も に 食べられたかったんだ
 くもは くちゃくちゃ 音をたてて
 ゆっくり やわらかく 噛み砕いて
 まだ 獲物が大きなままでも 丸呑みにしていくんだ
 そのあと 腹の中で 時間をかけて溶かされる
 だから くもに食べられて死んでいくのは
 気が遠くなるし 不気味で 恐ろしいんだよ
 僕も 本当は そうやって 食べられるはずだったんだけど
 食べられる寸前で 夢から醒めてしまって
 目が覚めたら 逆に くもを踏み潰してしまったんだ

 夢って なんのこと?)

下を 見下ろすとめまいがするからきをつけるんだよ(声が小さくなってきてるよ)
透明な  きの箱は ブロックがわりにされてるだけなんだ
しかも 空虚のかわりなんだ つみあげていって みえなくなるんだ
もともと みえないんだけどね
汗でてがすべるな
なにか で てをふかないと てが ぬるぬる して ぶろっくがつかめないよ
なにか

いそいで宮殿に知らせておいで
ゆめのくうきょの透明な階段が もうすぐ くずれそうだよって

空をみて くものすは はっている?

はい 黒い線が何本も宙に浮いています

くも は 見える?

(あの子はきっと くもに食われてしまったよ
 夢? ちがうと思うよ
 あれは  現実に 形のある く も で
 本当に食われてしまうんだ

 どうしてそんな嘘をつくの?)

くもはみえません
とうめいしかみえません
とうめいしかみえません

くうきょのぶろっくは どこまでならべたっけ?

どこまで?

わかりません
なにもみえません もうなにもみえません

よくみてごらんよ
くもはすぐちかくにいるよ
いますぐいくよ
まってていますぐいくよ

/////////

17th/February/2015/18:09

こんなところにミクニの蜘蛛の話がある。
知っているようで初めて見るような文章だからわかりにくいけどこれはミクニオリジナルのコピーだ。
退屈したら読んでご覧。ミクニがまだ蜘蛛だった頃の話。
ミクニがまだミクニになる前の話だよ。

blog_5 - 154

永遠、kiss in the moonlight。

31st/October/2005/12:56
夢。

ひかりがパレットから漏れる
漏れた青色が艶のある記憶を二度塗りする

何度も失敗した箇所は
重ねられて厚くなっているから
すぐわかる

10月の雨で溶かされたインクが描いているのは
ある夕方の境界線で
ため息のように永遠に細い線が描かれるたびに
どんどん 細くなっていき
ゆっくりと時間をかけて いつまでも細くなって
すっかり忘れてしまって
明日あたり気がつくと 本当に見えなくなって
いつのまにか消えている

本当に描きたい線って
たぶん そういうの

永遠で 意味ありげで 魂に触れるのに
明日忘れてしまって
見えなくなって
見つけられなくなるような
線の細い夢

いつまでたっても変わらない世界
小さい頃から何度も見てるような曖昧な夢

どこまでが夢?
  どこまでも夢

////////

16th/February/2015/18:27

声も通ることの出来ないような細い道を永遠がステップを踏みながら渡り歩いていく。
何も望むものがない自分を憐れんだりしない。
それが永遠の性。
さよならがバス停で待っている。
バス停に着くとさよならが、永遠遅刻おそいよー、と言った。

本当の僕は今何処にいるんだろう。
さよならを見てるこの風景は本当は誰の記憶だろう。
遠くのアスファルトに陽炎が見えた。
温かいというより暑いはずの風景を震える手で凍えながらタイピングしている。
僕は何処かに本当に存在しているのかもしれない。
でも今はまだ誰かの記憶でしかない。
それくらい曖昧な存在だって認識していないといけない。
だから僕は几帳面に自分のしたことをスケジュールアプリに入力する。
自分のしたことを記録していないと人格の連続性が失われてしまうからだ。
僕は虚ろであり永遠でありさよなら、女王闇、椿、ジンロウ、みんな
全部僕の(私の)記憶。
そして今見ている陽炎が立ち上がる夏の風景は何年か前の本当の夏。
毎日夜だった。
毎日世界の果てだった。
救急車のサイレンがきこえる。
病室で受けた点滴の痛み、隣のベッドで寝ているきみ。
全部覚えてる。
点滴を受けながら見た夢の断片。夢の幾つかの記憶。
さよならと見間違いそうになるきみの寝顔。
手を伸ばす。
届かない。
もっと手を伸ばす。
すり抜けてしまう。当然だ。これは記憶。
触れることは出来ない。
永遠の檄。

blog_5 - 153

秋月、夢から嘘へ。

7th/October/2005/23:56
秋月のよる。

夜が涼しいから
ベランダで過ごす時間が増えた

時間がまだ早いと月があっちにある
月は夜景のビルの明かりより
何倍も強く光るから
見失うことはない

けれどそれは夜のせいだ

月は昼でも見ることが出来る
真昼の月も綺麗だけど
存在感の強さでは夜の月にかなわない
価値という意味じゃなくて

月の下でベランダの手すりにすべてを並べた
(月が照らす雲の形が次々に変わる)
手すりの端から端まで
一列にすべてが並ぶ
一列の後ろにもまだすべてを並べた
まだ足りないから
その後ろにもどんどん並べた
夢を見てるようにたくさんの色に囲まれる
(トンネルを抜けたところで忘れ物に気づくけど、もう戻れない)
すべてで溢れかえった手すりをしばらく眺めて
そのほとんどがいらないものだとわかった
(月は15センチ移動した)

すべてにはそれぞれに名前があった
それは大抵便宜的なもの
だから一旦奪った

改めて名前を付けようとして
適当な名前が思い浮かばないものは右端によけた

そのうちにどんどん右端が膨らんでいって
ベランダが傾きはじめた
(まだ隣室からは苦情がこない、
 ただ病気の魂がさっきからこちらを見て笑っている)

気が散りそうになる
いま誰か目覚めた
足音が近づいてくる
とりあえず無視した

なんの話だっけ?

そうだ、すべてについて
すべてに名前を付けなおしたあと
名前が思い浮かばなかったすべては
すべて右端に移した
(すべてすべてってややこしいな)
名前のないすべては
いつからそうだったのかわからないけれど
色を失って乾いていた
だから名前を奪ってベランダから落とした

名前のないすべては軽く押すだけで
簡単に落ちていった

ベランダの下を覗きこむと
すべては弱々しく風に吹かれながら
あちこちに飛んでいった
(風は本当に気持ちいい、そして少し寒い)

残ったすべては数える必要もないくらい少なくなった
たぶんこのくらいがちょうどいい
(淋しさはなにかと物々交換できないだろうか?)

月はあれから30センチ移動して
目の前にやってきた
つい見つめてしまう ずっと見つめてしまう
こういうのって、きれいさとかはかなさとかだろうかと
思ったところで、いまさっきそれらを
捨ててしまったことを思い出した

そうだね そういうことだね

(月が消えてなくなればいい、
 そうしたらもう自分にかえらなくてすむ)

捨てるってそういうことになるんだね

////////////

15th/February/2015/18:12

夢がバレた朝日から逃れ午後になる丁度、猫が笑った。
アスファルトから立ちあがる陽炎が目に見える程光を歪ませている。
月夜にせがまれて僕はもう一度それを確かめる。
(やっぱり笑ってる。嘘!)
拙い願い叶えたら悲しい世界変わるかな。
(されど世界、故に世界。)

blog_5 - 152

Happy Valentine’s Day!

5th/October/2005/03:12
感覚廃棄。

あたまの中の操縦士が言う
おい、前が見えないぞ

  ああ、そうさ今は目を閉じているからな

あたまの中の機関士が言う
おい、鼓動がはやすぎるぞ

  ああ、そうさ今は走っているからな

あたまの中の調律士が言う
おい、音がきこえなくなったぞ

  ああ、そうさ今は耳を塞いでいるからな

  あたまあたまあたまあたまあたま
 (あたまの中は夢見ている)
  続きを探している 探したのは雨
  おかげでびしょぬれだ
  雨を数える (傘が開きそうで開かない)

いちにさんしごろくしちはちくじゅうじゅういちじゅうにじゅうさん(月がかけた分はどうする?)

  おい、傘の下に雨雲があるぞ
  濡れながら笑っている
  あそこで叫んでいるのはかけらじゃないか?
  なんて言ってるんだ
              〈見えないものが欲しい〉
  あたまの中の操縦士が言う
  ああ、たましいのことか

   欲
   し
   い
   な
   ら
   や
   る
   ぞ

  これを持っていけ
  あたまの中はいま空っぽだ

  あたまの中の機関士が言う
        それならオレも連れてってくれ
     あたまの中の調律士が言う
       それならオレも連れてってくれ
           あたまの中の操縦士が言う
       それならオレも連れてってくれ

//////////////

14th/February/2015/20:36

今日くらいは悲しいことは忘れていよう。
Happy Valentine’s Day!

blog_5 - 151

青い悲しみ。

25th/September/2005/02:46
螺旋階段的回想。

螺旋階段 は 今日も きれい に 巻いている

感情 の 起伏 を すべて 巻き込んで

行けるだけ 上まで 行って

そこから 落とすんだ
(それはいいよ もう 何度もきいたし)
砂糖の 粒をそろえたのは 誰だった?

角を触ったら つるりと 溶けていったよ
おかげで 新しい服が べたべただ

知ってるよね?

キライなんだよ ベタベタしたり 油が ついたりするの

それで どうする? 今日の レシピは?

階段を作る?

それ 前も やったよ

じゃあ 塔は?

          塔をのぼる

      足が不自由な 鳥 が 羽が はえてない夢の中で

         メモが 残っていたよ
       羽は 飾りです    けれど

       きれいごとになら まだ 飛べそうです

        夢とか では 無理ですけど

      昨日 大きな孔雀 が  自慢げに  羽を見せびらかしに きたので

     赤色と 紫色の 羽を むしって 泣かせました

         孔雀は 怒っていたのだけれど

   羽が 軽くなったおかげで  空を 飛べるように なっていました

      遅刻せずに すんだようです

       感謝は されません   糸が 帰ってきません(赤い?)

        指に 巻き付いて とれませんから

  まだ  切れてはいないと 思うのですが (と思ったら すぐそこにありました)

       いつから はじめますか?

もう  はじまっています       塔の 上で 待っていてください

   一番上で  待っていてください

          そこから  世界の何を 見ますか?

       神殿のあとがあります  真っ白い岩を削って作った柱があります

  石が きれいです    夢まで きれいです
          遠くの町が 見えます
       風が 強いから 帽子は かぶらないでいってください

     見えたのは  なんでした?

      2月 の 晴れた日でした

   遠くの丘の上に  小さな 神殿が 見えていた

       どこまで 行っても 夢でした

    雪のついた 山も 見えました

       偉そうな 神官が いて  コーヒーを飲みながら

   くだらない 説話を 話していました (僕は 本当に そういうことが許せない)

         いまも とても 遠い

     海の上から  みおろす   世界の 一部は

      城塞に囲まれて  いる 中の 自分みたいだ

            塔の 上で

             全部 捨てるんだ

              見えない もの

               まで

             全部

             捨てるんだ

///////////////

13th/February/2015/18:27

凍るような悲しみを頂戴、憂鬱も有ったら全部欲しい。
私はマイナスになる。悲しくてマイナスになる。
それでも私は私を死なすために絶対に、
絶対に、
絶対にもう泣かない。

blog_5 - 150