悲しみの上限。

12th/April/2008/21:41
Interlude ~ 暮れゆく滴は、闇。~

夕暮れにみとれていたら、
黄昏は、僕だった。

(数分後の未来。)

暮れてゆく自分を見ている僕は
いったい、誰なんだろう。

枯れた花に、みとれていたら、
その花びらは、左手のくすり指だった。

枯れていく自分を見ている彼は、
どうして自分の名を名乗らないんだろう。

いつから、暮れていたのだろう。
たぶん、ほんの少し前からかもしれない。

彼の中に
暮れゆく滴は、闇。

その滴が言う。

「あなたは一人で生きなさい。」

暮れゆく滴は、闇で、
降り積もっていく闇の中に、
    ひとりの僕を見つけるだろう。

それは、闇で、暮れゆく滴なんだ。
流れていけばいい。

どこまでも、暮れていけばいい。

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14th/March/2015/18:40

私が私であるように簡単なルールで未来まで続きますように。
この世界の悲しみを全部入れても大丈夫な器になれますように。
どうかそれでも壊れませんように。

blog_5 - 173

優しく殺して。

15th/May/2007/02:27
だから、殺してくれればよかったのに。

狂ったあの人は
いつも夢のなかみたいな
世界をみていた
遠くて手の届かない過ぎた世界
列車にひかれるより
ジャガーにひかれることを
望むような人だった
絶望していても優雅に憂鬱だった
小さい女の子がよってきて
彼のまえでおじぎをした
彼は女の子の手の甲に
キスをして
かけらを奪った
女の子は夕暮れが嫌いだと言った
彼は
ぼくは雨がきらいだと言った
きみは雨みたいだとも言った
首をしめて殺した
それは彼の空想だったけれど
彼にとっては現実とかわらなかった
奪ったものは
自分自身だと彼は
気付いていない
その夢は夕暮れと名付けた
橙色にそまった女の子の
柔らかい髪を思い出す
水彩でできた彼のベッドは
淡い水色で
彼はその中で泳ぐ
真っ暗な深海を目指して
もういいよ
殺していいよ
痛くしてもいいよ
もうぼくの絶望は
退屈すぎて
(何人も殺したくせに
夏まであとどれくらいだろう
あのこは幸せになれたかな
(きみが殺したあのこのこと?
意味ないよ
そんなこと考えても
それより
どうやってあのこを殺したの?
あんなにきみを暖めてくれたのに
どうやって殺したの?
覚えてないよ
ここはどこだろう
白線の上を歩きながら
真っ白いジャガーを待っている
彼はそういう人間だった
そして彼自身が雨だった

/////////

6th/March/2015/19:00

僕はもう死んでもいいよ、と俯いて言った。
その先に未来が無くても僕は死のう、と続けて言う。
悲しみの欠片に重ねる思いがなくなって酸欠になって苦しくて吐いた。
ここで切ってと首筋を差し出して茜色に告げる。
太陽が落ちると暗闇に寄り添って泣いた。
そんなきみだから
見ているこちらが辛くなって手を差し伸べてしまう。
おいで、ここへおいで。
もういいよ、もう死んでもいいよ。
僕が殺して上げるからおいで。
(優しく殺してね。)

blog_5 - 172

忘却の虜。

10th/April/2007/04:13
赤、黄色、紫、橙、群青、ひまわり。

雨が 降っている。
 そして、時計の針に恋をする。

 赤。 ようこそ、赤の世界へ。
  目がくらむような この絨毯の上を 静かにあるく。

  振り返ると 誰かの涙が 続きを 待っていて
   ベンチの上に 紫が 待ち受けている。

 黄色。 目隠しされた時間の 整合性が ため息をついていて
  ゆるやかに 絶望していく
ガフの部屋では 入れ替わり 立ち替わり 輪廻と孤独が
  ひとつの 玉座を 奪い合っている。(切り裂いてしまおうか?)

 紫。 ベールにつつまれた紫。
   なにが 嘘で 本当か。そんなことを1000年も議論している。

     それは まったくのナンセンス。紫は死にゆく運命。

 橙。 うるさい。手のひらで口をふさぐ。
   (殺した。何度でも、殺した。)

 群青。 気がつくと インクのしみが 狂った世界図を描く。
   スプレーされた 真っ青な霧。
     その霧の中で わめきちらすのは

      砂時計の脈絡のない 秒。

   いい? ここで は 全部 (死んでよ。お願い。)
             あるようでない。

         ひまわり。 チタニウムで できた 花びら。

     花びらが 切り刻んでいく、時間軸。あしたが 今日に。
        今日が きのうへ。
 時間軸を バラバラにして ぼくは ゆっくりと命をけずる。

  いい。よく聞いて。
    アカシックレコードによれば
          僕は きみを殺すことになっている。

        待ってて。殺しにいくから。
          悲しまないで。この世界はきみには 苦しすぎる。

     ようこそ、僕の世界へ。
          おねがい。死んで。

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5th/March/2015/18:38

毎日が夢の世界。
壊れていく世界の果て。
ここではもう生きてはいけないと知る。
レースを翻して捨てていく日常。
こんなはずではなかったと後悔することさえない怠惰。
忘れていたのは生き方か死に方か。
午前0時にリセットされるシンデレラタイム。
忘却の虜。

blog_5 - 171

うつとすなと、

16th/February/2007/04:26
うつとすな。

鬱は僕から意欲を奪って、砂をばらまいていく。
心の中や夢の中に。
もともと砂浜だったから
砂は平気だけど
海が遠くなるのは悲しい。
波の音が遠くで鳴っている。
僕は波の形を想像する。
透明な塊が一瞬ごとに姿を変えて
白波を落していく形を想像する。
その波の中に埋もれていく
僕のカケラだった砂粒は遠い沖のほうまで
運ばれていって
研磨されて、いつかまたこの砂浜に戻ってくる。
いまは鬱の嵐で
それが美しいものであることを願うしかない。
この世界のはてが
ただの夢であることを願う。
きちんと僕の世界に運ばれていくことを願う。

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4th/March/2015/18:10

あの頃と変わらない風景に涙する。
悲しみと変わらない無垢な気持ちが潔く流れ出す。
冷たい水に気づかされる。
海の底に僕は沈んでいた。
あの頃と違う風景に、なんて思わない。
昨日と変わらない風景だ。
(悲しみの温度はそれでは計れないよ。)
僕はここにずっといた。
数年、十年、何年、ずっとだよ。
千年先のコール音がなった。
もしもしだれか生きてますか。
僕はこのまま世界の果てにいます。
だれか生きてたら返信ください。
段々ゆっくりになっていく時間に言葉が追いつかなくなくなる。
もしぼくがいきていたらせかいのはてをかえすから、
まっていて、せかい、
こんn、せかい、いrない

blog_5 - 170

悲しみと云う名で彩れた庭園。

28th/December/2006/17:29
シューアラクレムとふっくらしたデブ。

丸の内の地下に似ている。
東京駅まで続く広い道に似ている。

天井はどこまでも高く
壁には涙のあとがしみついていて
両側にあるベンチには ふっくらしたデブがいて
眠りについて 考え違いをしている。

今朝食べた献立について
その献立を思い出せないことについて
アボガドの柔らかさについて

手に持っている シューアラクレム を握りつぶして
手に溢れるクリームを頬張っている。
3日かけて嫌いになったら
もう飽きた と 不在連絡表 が入っていて
(飛び出すカード仕立てになっている。
飛び出してくるのは虹。)

クリームまみれ。

ベンチが1丁目まで延びた。
ふっくらしたデブが眠くて歩けない。
フラフラしながら手をクリームでべたつかせたまま
ベンチで寝てしまった。
デブは寝言がはげしい。
なにもないよ。
なにもない?
きみには眠りがあるよ。
ああ眠りはいいねえ。
けど眠りだけじゃねえ。
なにがたりない?
かどのまるいオーガニックなさあ、
センシティブな僕でも耐えられる夢心地なさあ…。
それは甘い?
たぶん甘いよ。
葉巻の煙みたいに?
高級な葉巻の煙みたいに。
煙かあ。煙はいいねえ。
揺れるのがいいね。
流れていくのがいいねえ。
かたち が ないのがいいね。
消えていくのがいいねえ。

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3rd/March/2015/18:27

吹き飛ばされた記憶の渦。
渦に巻き込まれていく過去や憐憫。
中心では過去の記憶が引きちぎられてばらばらになった。
僕はここで見ているよ。
愛したことも千年先の未来も全部引きちぎられて自由。
言葉の法律が改正されて愛が嘘になる。
憐憫に連れられたさよならが手を振ってさよならと告げた。
つまらなさそうにした小さな兄弟がお菓子をねだる。
悲しみと云う名で彩れた庭園だ、ここは。
遠くに見える観覧車も何処かで見たような形でピカピカと光る。
咲いている花は全部茎を折られて枯れている。
花のように見えたのは茎から流れ出た様々な色の血の乾いた跡。
ここでは全てのオブジェの首が無い。
それは名前を奪われた証。
顔を失った体から名前を推測することは出来ない。
この世界の果てに流れ着いた様々な記憶の跡。
悲しくとも記憶はもう誰のものでもない。
ここに有るのは全て現象と云う時間のレゾンデートル。
現象を砕いて一番小さな単位にした原子の様なもの。
砂の様な粒の形になった流体で様々な形に加工されている。
(誰が作ったの。)
悲しみを忘れないように、
でも痛くないように。
(誰が作ったの。)

バイバイ、

(ここは私の代わりにあなたが作ったの。)

blog_5 - 169

ロマンシア、2。

2nd/March/2015/18:39

便利な殺し屋として雇われ続ける私は恨みも何も無い人間を散々殺し続けた。
きみを失ってから私は元の世界に戻って毎日のように人を殺した。
きみの命なら尊いと思えた人の命がきみじゃないという理由だけで虫けら同然に思えた。
だから言われた通りに殺し続けた。
そうした日々に諦めがついた頃、ひとつの重大な情報を得た。
きみを殺った男の足取りだ。
あいつは今同じ街にいる。同じ街にいて、同じ空気を吸っている。
吐き気がする程気持ちが悪かった。
でもいい。これからのことを思えばそんなことにも耐えられた。
塔の上に立ってあいつの部屋を覗くとデスクに座っていた。
私はその映像を高強度アサルトライフルの光学式スコープから見ていた。
座標がダウンロードされる迄あと2秒。
アップデイティング完了。
トリガーを弾いた瞬間あいつが倒れた。
20秒後に着弾音が響き渡った。
やった。やった。やっとあいつを殺した。
きみを殺したあいつを殺した。
やった、やったよ。きみ、きみ、きみ、きみ、きみー。やったよー。
やっときみを殺したあいつを殺せた。
涙が溢れてしまう程嬉しかった。
でも、それも30分ほどで変わる。
私は正反対に巨大な虚しさに襲われた。
折角あいつを殺したのにどうして嬉しくないのかな。
どうして涙が出るの。
どうしてきみは帰ってこないの。
どうしてきみはいないの。
どうして、どうして、どうして、どうして。
どうして、神様、この世界は不条理なのでしょうか。
Amen
私はあいつの家族を皆殺しにしたあと、
きみのお墓へ花を捧げた。
(ねぇきみ私の右目をあなたにあげる。
ね、うけとって。)

blog_5 - 168

3月のクリスマス。

25th/December/2006/00:00
悪魔がきたよ。

ドとレとファを持って。
空へ浮かべて音符を砕いているよ。
僕はそのかけらをメロディにするけれど、
捨てる場所が見当たらない。
いつか、死んで、いつか、死ぬ前に思いだすだろうか?

眠れない夜のメロディ。
それは空っぽだから。
うかつに近寄ったから、罰がおりたんだ。
そう、これは罰。
だから、受けとめなくてはいけない。
だから、死ねない。
死ぬが言う。
いつか、誰にでもやってくる。
だから、安心していいんだ。
それまで、我慢じゃなくて、せかいのはてに
行く方法を探せばいいんだ。
わかった?

僕には、何もない。
誰も何も持っていないというかもしれないけど。
真実の意味で、戦闘機乗りのように
いつ死んでもいいんだ。
いつかの思いがあるからさ。
語りの涙とミクニの涙があるからさ。
青い海と空虚。

///////

1st/March/2015/18:23

特に誰かのこと思い出した訳でもないのに何この切なさ。
雨の音がポトポトと後押しする悲しみのスピードで鮮明になる。
いつかの景色がコラージュされた混ぜられた記憶。
そのスピードで見えてくる景色はクリスマス。
僕の耳を壊す。
僕の目を壊す。
僕の頭を壊す。
3月のクリスマスは大分切なくて冷たい。
皆殺しの天使が午前0時一斉にベルを鳴らす。
僕はきみときみときみときみときみときみを殺す。
ああ、何この黄昏。
何この悲しみ。
返り血が気持ち悪いよ。
(一生愛してる。)

全部嘘だけど。

blog_5 - 167

世界の果ては悲しみの入り口。

12th/December/2006/09:20
ななめの視線。

今朝起きると斜めだった
ベッドから起き上がれる気が全くしなかった。

それでも、ソファーまで這っていき、
クッションにつかまって、なんとか立ち上がることができた。

そこで、全く見事な仁王立ちですねー、と
手のひらの上で小さくなった自分が言った。

全く見事な仁王立ち。

僕は無視した。

頭痛がひどいんじゃない?
右のこめかみの辺りがひどく痛むんじゃないの?、と
また自分が言った。

(なぜか、その言葉はちょっと前に自分が言ったような気がする。)

手が冷たい。
手のひらがびしょ濡れだった。

小さい自分(体長15センチくらい)の上に、小さな雨雲があって
その雲から絶え間なく雨が降っている。

よく見ると、小さな自分はびしょびしょになりながら
雨が作る川に流されないように、前かがみの姿勢で踏ん張っている。

そこで、また言う。
素晴らしい仁王立ちですねー。

さっきより小さな声だった。

僕は無言で見下ろす。
じっと見つめられていることに
恥ずかしくなったのか

雨に降られやすい性質なんですよー。と
言い訳のように言いながら、小さな自分は顔をふせた。

声がまた小さくなっている。

雨が降り続い…、

言っていることが聞き取れないほど
小さくなった。

小さな自分は泣いているようにも
見えるけれど雨のせいでわからない。

手のひらに顔を近づけてよく見ると
小さな自分も手のひらの上に小さな自分をのせていた。

その手のひらの上の自分の手のひらの上にも
また小さな自分がのっていた。

僕たちはどこまでも小さくなって、頭の上に小さな雲をのせて
絶え間なく降る雨に、打たれ続けていた。

今朝ななめになりながら。

//////////

28th/February/2015/18:22
世界の果ては悲しみの入り口。
出口は無い。

blog_5 - 166

冷たい雨。

11th/December/2006/22:50
ZERO

のどの粘膜に胡瓜の産毛のような棘がささったままだから 白砂糖の甘さが血にまざって痛い 端からぽろぽろと崩れていく砂糖のくずが 唾液に溶けてツララを形作る のどに刺さる 40℃の夢の片隅で流れ出した血液が甘くなっている 成分は純粋なまま形だけが変化した ツララが増え続けて そこはもう のどではない 言葉がかたことになってしまう けれど けれど けれど けれど 甘いはえいようぶんだと しっている きづく ツララがとけていって ちにまじって たらたらながれおちていったら そのながれのさきには げんごや があって  きょだいなりんねでできた しんくのしゃりんが(しゃりんにはなまえがついている なまえは せんねん)   とうをぶんかいする
(かわいているだろう)ぶんかいされて ねつになっていった ことばになっていった それはいつか きのう こうじょうでひかった さびどめのスプレイ ゆめだったから なきさけんだ ゆめだったから うばった ゆめだったから きりさいた ゆめだったから (3ふんごにおなじゆめをみた)

//////

27th/February/2015/18:28

僕は冷たい雨。
きみの肩に降る。
きみの睫毛に降る。
きみの唇に降る。
きみの手に降る。
きみは濡れながら悲しみになる。
僕はそれを見てる。
僕は冷たい雨できみの髪を濡らす。
きみの目を殺しながら僕は雨になる。
僕が雨できみは、なに?
忘れていたことも映る水たまり。
空を見上げれば目に余る光が降ってくる。
誰も気づかない2月27日が過ぎていくよ。
僕はきみのこと少しだけ思い出して少しの時間過ごして。
きみの顔を思い出してきみに降る僕を思った。

blog_5 - 165

線路と空白と猫、とあなた。

7th/December/2006/0:12
線路と空白と猫。

猫がいた。

きらきら光った音と
聞き取れない言葉が詰まった猫。

挨拶を交わす。
あれはメートル法では計れない。

長い舌が印象的で
それなのに舌足らずな声で話しかけてくる。

(教えようか? それとも食ってやろうか?)

あたまのなかに猫がいて
時々話しかけてくる。

それはニャ―ではなくて
ひとりごとみたいな問い掛け。

  涙の絵を描けよ。
    (空の絵を描けよ。)

同じ夜が訪れて、
同じ音を奏でながら、ふたりで笑いあえるなら
猫は踊る。

2本の指だけが欠けている。
それでも残った爪で、レセプターを引っ掻く。
起こす。

(きみを?)
  長すぎるかな?

振動が激しくて夢から覚める。
階段を降りると自分と出会う。
擦れ違う。

猫が食べている。

神経繊維を引っ掻きながら
それで僕はまた道に迷う。

この猫さえいなければいいと思う。

猫は笑った。
あたまのなかに響く。

笑いながら猫が踊る。
  (そこから先の描写はカット。)

反転する。
      僕が猫になり猫が僕になる。

熱くてたまらない。
12月の真夜中なのに。

発火しているシナプスを見る。

とても美しい夢。
繊維が絡み合って光る。

大切だったけれど
消えて、失くなるまで発火を見届ける。

散ってしまう火花と記憶。

僕は猫になり
猫は僕になり、

闇は夢になり、涙は海になり
憂鬱は記憶になり、記憶は火花になって散る。

(ああそれにしても熱い)

見えない階段を降りたり
昇ったり

爪を磨いたり踊ったり…
繰り返すのさ。

このエピソードを。

///////

26th/February/2015/19:51

ラララ、私はあなたを赦す。
ラララ、私はあなたを殺す。

blog_5 - 164